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善は急げ

******* 仁side 頭いたい…っ 何で痛いんだっけ? そう思いながら身体を動かす。 温かい体温とシーツの感触を全身で感じ………っ、 あれ? 体温? しかも俺って今の状態は寝てるよね? しかも、腕枕っぽい。 誰の? 俺って、お兄さんと一緒に居たよね? じゃあ、今、腕枕して、俺を抱きしめてるのはお兄さん? しかも、俺………全裸。 サーッと血の気が引く。 俺を腕枕している相手は俺を胸に抱き込んでいるんだけど、服を着ている様子がない。 相手も裸。 俺…………やっちゃった? どうしよう。お兄さんと俺、やっちゃった? どうしよう。 逃げたい。 もそもそと俺が動くから、 「んっ?起きた?」 と相手の声。 声がお兄さん。 ハルさんの声にも聞こえる。でも、ハルさんのわけがない。 お兄さんの部屋だもん。 どうしよう。 「仁?どした?」 頭を撫でる手。 あっ、 ハルさんだ! 俺は目を開けて、顔を上げた。 「仁?」 ハルさん……っ 「ハルさん」 俺を見ているハルさんの名前を呼ぶと、 「ん?どした?」 と聞いてくる。 凄く安心した。 「ハルさん」 「はいはい」 ニコッと笑うハルさん。 「ギュッとして」 「ぎゅうっ」 ハルさんはそう言いながら俺を抱きしめる。 ハルさんだっ! ん?何でハルさん? 「俺、何でハルさんと?」 「お前、酔ってたから覚えてないもんなっ、酔って帰ってきて、ケイと俺で3Pしたんだよ」 その言葉で、また血の気が引く。 起き上がり、周りをみると、自分のベッド。 そして、俺の横にケイが……………っ! せまいベッドにハルさん、俺、ケイの3人で寝ていたのだ。 うそだっー! 「ハルさん……………3Pしたんですか?」 「俺はお前しか抱いてねえよ、酔ったお前はケイを抱いてたけどな。」 「す、すみません!ハルさんが居るのにケイと、あの浮気とかじゃないですからっ」 俺は必死にハルさんに謝る。 ハルさんがギュッと抱きついてきた。 「仁、やっぱお前可愛いわっ」 謝る俺はキョトン。 「いきなり何ですか?」 「めちゃめちゃ嬉しい」 耳元で囁かれる言葉。 「謝るのがですか?」 「うんにゃ、酔ってたから覚えてねーだろ?」 「他に何かやらかしたんですか?」 俺はドキドキ。 で、ハルさんが話始めた。 ******* エロ佐伯side 思い起こせば数時間前。 仁が見つからない。 いくら俺でも流石に焦っていた。 電話も、もう宛がない。 んっ? 居たな、 あと1人。 俺はソウに電話を入れる。 何コール目かでソウが出た。 「ソウ、あのさ仁そっちに居ないよな?」 「…………んっ」 ノイズのような音と呻くような声。 「ソウ?」 耳を澄ましてみる。 「あっ、あっあっ………くっ」 ソウらしき声。 しかも、喘ぎ声っぽい。 アイツ、インポとか言ってたくせにセックス? それとも1人エッチか? 「ソウ、何やってんだよ?」 「あっ、イク」 イク?どこに? 「…よっ」 ソウの声の後に違う男の声。しかも、 「仁?」 仁の声に似ている。 ブツ、 電話は切れてしまい、直ぐにかけ直すが電話は二度と繋がらなかった。 一瞬だったけど仁の声に聞こえた。 仁とソウが? 確かめるにも仁の携帯はここにあるし。 どうしたものか? ソウのマンションに行くか? 「真世はもう帰れよ、ケイはよい子で待ってろ」 「やだっ」 嫌がるケイを美沙ちゃんを呼び出し押し付けた。 ソウのマンション。 呼び鈴を鳴らす。 そして、ドアを開けたのはやはり仁だった。

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