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善は急げ 8話
「よおっ」
目を開けた瞬間にハルさんのドアップ!
一瞬びびる俺。
「な、なにしてんですか!」
「野暮な事聞くなよ、仁の中にチンコぶち込もうとしてたんだよ」
とニヤつくハルさんは確かに俺の両足を広げて覆い被さっている。
「ちょ、ケイが……っ、あっ、俺意識ぶっ飛んでましたよね?」
そうだ、さっきイッてしまって自分の意識もイッてしまったんだよ俺は!
「確かに意識飛ばしたな。でも、10分くらいだぞ?」
「ケイは?」
「風呂だよ。お前がザーメンぶっかけたからな」
「あっ!」
そーだ!ケイに俺、
起き上がってケイの様子を見に行きたいのに、両手を強く押さえつけるハルさん。
「ハルさん、ちょ、痛いっ」
凄くキツく掴まれていて、何時ものハルさんらしくなくて、ちょっとビックリしてハルさんを見上げる。
「ヤキモチ妬いてほしーいんだろ?」
「へっ?」
「めちゃくちゃ妬いてたりするぞ」
「な、なに?」
キョトンとなる俺。
ヤキモチ妬いて欲しいって酔った俺が言ったらしいけど、
「なんでソウを頼った?なんで無防備にソウについて行った?50文字以内に答えよ」
「えっ?えっ?お兄さんの事?頼ったって言うか偶然にトイレの小窓の下に居たから」
「ふ~ん、で、抱き止めて貰った?」
「そ、そりゃあ……ダメだった?」
ハルさんの眉がピクリと反応。
えっ?えっ?何で?
「身体触らせたんだ?」
「だ、だって、でも、ふく、服の上からだし、あのっ、」
わー、俺、かなりテンパってる!
だって、こんなハルさん知らない。
押さえつけられた手痛いし、 いつものヘラヘラニコニコじゃない。
………ちょっと怖いハルさんだった。
「服の上からとか、んなの関係ねえよな?ソウに身体触らせたのがすでにアウト。ソウの部屋に連れ込まれた時点でアウト!これでペナルティー2だな」
えっ?ちょっと待って、 ハルさんかなり怒ってませんか?
「怒ってますか?」
とりあえず聞いてみた。
「見て分かんない?」
はい。アウトーっ!
ど…………、 どうしよう!
怒ったハルさん初めてだからどうして良いか分からない。
ケイとエッチしたり、お兄さんに抱っこされたり。
うっ………、 怒る要素沢山あるやんけ!
はっ、まさか……、 ハルさん……こんなに怒っているって事は、俺と………
俺と、 別れる気?
えっ?えっ?
いや………、 そんなのイヤかも。
*******
エロ佐伯side
もううぅぅ!
どうしてくれよう。
この仁の可愛さ!
ヤキモチ妬く振りしてたら、テンパって涙目。
やべえ、ばりカワ(物凄く可愛い)
仁に怒った事ねえしな。
俺に見下ろされた仁はオロオロ。
挙動不審。
目をキョロキョロ、
あーもね、 何でそげん(そんなに)可愛いとや?
全くもってけしからん!
そげん可愛い子には愛のお仕置き!
チンコぶち込んであんあんっ言わせちゃるけんね!
「…はるさんっ……うぅ」
えっ?
あれ?仁?
うりゅう~と涙がたまり、
みるみるうちに大洪水。
なんで?泣く………?
「仁?」
「やっ……です。」
「はい?どうし……」
「別れるとか……や……です、そんなの困ります」
仁はそう言って泣いてる。
ええっ!泣いてる!
別れるとか?
なんでそうーなる?
「仁、なんで別れるとかそんな話」
オロオロしていた仁に代わり今度は俺がオロオロする。
「はるさん………やだ」
もうくしゃくしゃになって泣くもんだから、俺は仁を抱き起こしてギュッと抱きしめた。
「仁泣くなって」
頭をよしよしと撫でる。
めっちゃ泣いてる!
やべえ!
不謹慎だけどさ、 可愛い!
泣いてる仁も 、
鳴いてる仁も、何でこげん可愛いかとやろ?
別れるとかイヤ……って泣くくらい俺、愛されてますやん?
なんで、そうなったか分からないけどさ、すげえ幸せ。
泣くほど愛されてるんだろうけど、腕の中で泣く仁は、 可愛くて もう、ギュッてしてやるかんな!
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