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人の振りみて我が振り直せ
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仁side
「んっ、くっ……いくっ」
ハルさんの息使いと腰の振りが激しくなり、 イキそうなハルさんをイかせようと口の動きを速める。
「仁、…いい子だ」
ハルさんは俺の頭を撫で、そのままイッた。
ビュッと口内に生暖かい液体が広がる。
射精した精液。
「仁、吐き出せ」
ハルさんは俺を抱き起こすと口の中に指を突っ込んできた。
「ゲホッ、」
いきなりの行動にむせて、口の中の液体を吐き出した。
ハルさんはちゃんとゴミ箱を持ってくるあたり流石かも。
「わりぃ、外に出すつもりだったのに」
ゲホッ、ゲホッ、むせる俺の背中をさすりながらハルさんは謝る。
「の……んで、よかった……のに、」
「ばーか、今からお前の好きなガトーショコラ食うんだぞ、不味くなる」
ハルさんは俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。
撫でられるの好き。
子犬撫でるみたいな優しい手だから。
服を着ていると、 どうせ夜脱がすのになあ。とかハルさんが言う。
まあ、そうなんだけどね。
ハルさんに脱がされるのも好き。でも、言わないでおく。
「じゃーん、見て下さい!美沙さんに携帯買って貰いました」
ガトーショコラを3人で食べているとケイが嬉しそうに携帯を見せる。
「美沙から?」
「はい。何かあった時の為にって」
ケイはニコニコしていて、何か可愛い。
「スマホじゃないんだ?」
とハルさん。
「ネットとかはパソコンあるし、話したりメールだけなら携帯でいいし」
「若者のくせに」
ハルさんはそう言って笑う。
「仁さん、メアドと番号交換しましょ?」
「えっ?あ、うん」
「えへへ、仁さんの番号を一番初めに登録したかったんで嬉しいです」
と言った。
ケイは何でこんなに俺を慕うのかな?
嬉しい半面、複雑。
「ついでに佐伯さんも」
ケイはハルさんとも交換している。
良く考えたら俺達って三角関係なんだよね?
ほのぼのしているけど。
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パソコンで過去をさかのぼり調べているのはケイの事。
色々考えてしまう。
このまま酔った俺の毒牙にかかって良いはずがない!
あんなに一途で可愛いケイ。
景那って名前珍しいし、家族を火事で亡くしたと言っていたから、色々と検索しているけどヒットしない。
探し方が悪いのか、実際にはそんな事件無かったのか。良くは分からないけれど………。
でも、隠れて身元捜すのも気が引ける。
「な~に見てんだ?エロ動画?」
後ろからハルさんに抱きつかれた。
「エロ動画じゃないです」
ハルさんの息が耳にかかりくすぐったい。
「じゃ何見てんだ?」
「ちょっと、ケイの事……」
「ケイの?何?」
「ケイが話してた事が本当なら調べたら分かるかなあ~って」
俺はマウスをカチカチと指で押し、画面を変えていく。
「分かったらどうすんだ?」
ハルさんの質問に指が止まる。
俺はどうしたい?
身元が分かって本当に家族が居なかったらココに置いてた方がケイも寂しくないだろうけど、
もし、家族が居て……ただの家出だったら?
追い出す?
「わか……んない」
パソコンから目を離し、俯いた。
「仁は真面目だからな。悩んでんだろ?酔ったらケイを抱く自分が居て、仁は俺と付き合っているから、ケイの気持ちにはこたえられない。……3Pはケイを傷つけてるんじゃないか………って?」
ハルさんのいう通り。
黙り込む俺に、
チュッとホッペにキスをするハルさん。
「ちょ、」
何してんですか!と言おうとハルさんの方を向くと、
温かい唇が俺の唇を塞ぎ、ヌルリと舌が挿ってきた。
「んっ………ふっ……」
つい、キスに反応してしまい、しばらくハルさんとディープキスをしてしまった!なんて流されやすいんだよ俺!
唇が離れると、
「そのトロンとした顔、めちゃ可愛い」
と言われ、照れた。
あっ…………、
て、ちがーう!
「ケイがしたいように暫くさせてみたら?」
「でも」
「いきなり放り出す方が可哀想だろ?」
まあ、そうなんだけど………。
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