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酒は酒屋に茶は茶屋に
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仁side
ここ2~3日、ケイの様子がおかしい。
友達と会うと言って出かけた日、夜遅く帰って来た。
ウチのと違うシャンプーの匂いをさせて。
何をして来たのかと聞いてみても笑って誤魔化された。
「こら、食事中は携帯禁止」
目の前のケイは食べながらメールを打っている。
「はい」
素直に携帯を弄るのを止める所は凄く可愛いけどさ。
俺にはメールとかしないくせに。とか考えてしまったけど、一緒に住んでるから別にメールする必要はないけどね。
ただ、メールをしているケイが楽しそうでさ、
なんかさ、誰かな?とかさ、
どんな会話かな?とかさ、ちょびっと気になるわけよ。
「仁、なんかお母さんみたいだな」
お昼を一緒に食べているハルさんがクスクス笑う。
「食事中、携帯ダメ絶対!」
と棒読みでハルさんに対抗する。
「ケイなんか楽しそうにしてるけど誰とメールしてんだ?」
わおっ、ハルさん!
俺が気になる事をズバリと!
「えへへっ、友達です」
ニコッと笑うケイ。
どこのどいつか、気になるに毎回、毎回、友達と言って誤魔化すんだよなあケイは。
「ごちそうさま」
俺はなんかモヤモヤしながら食器を重ねてキッチンへ運ぶ。
「ケイもハルさん食べたら食器重ねて持って来て」
と声かけたら、
「ママさん何か不機嫌だな」
とハルさんが食器を運んで来て、そう言う。
「別に」
ハルさんの手から食器を奪い洗う。
「気になるんだろ?ケイの友達が」
ニヤニヤするハルさんを見てハッとした。
もしかしてハルさんは知ってる?
えっ?俺だけ知らない?
不安というか、知らないかもしれない仲間外れ感?
「仁さん、上の階に誰か引っ越して来たみたいですよ」
食器を手にケイが来た。
「何で知ってんだ?」
俺ではなくハルさんが聞く。
「窓から引っ越し用トラックと、見慣れないジャガーが停まっているのが見えますから」
「ジャガー?」
僕とハルさんの声がかぶる。
確かに上がガタガタ音がしているようで、
「隣の部屋、空き部屋だったのに」
ハルさんは舌打ち。
何故ならハルさんの部屋は端っこで隣が空き部屋。なので、最近エッチする時はほぼ、ハルさんの部屋。
だって声が隣に聞こえるの嫌じゃない?
俺も隣が誰もいないから声出せたもん。
「ちょい見てくる」
ハルさんが外へ出たので俺とケイも外へ。
そして、バッタリとある人物に出くわす。
「やあ、仁くん」
爽やかに手を振るハルさんのお兄さん。
「お兄さん」
驚く俺と、舌打ちするハルさん。
「こんにちは」
俺達の側に歩み寄り爽やかに挨拶するお兄さん。
「こんにちは。お兄さん、どうしたんですか?まさか引っ越して来たのって……」
「うん。俺。よろしくね」
ニコッと何時もの笑顔。
「何、引っ越して来てんだよソウ!マンションどうした?」
なんか怒っているようなハルさん?
あれ?嬉しくないのかな?
「マンション?あ~あれは売った」
「はあ?」
ハ、ハルさん眉間にシワが~
「別にいいだろ?俺の持ち物だし……んっ?こっちの女の子は仁くんの妹さん?」
お兄さんは俺の横に居るケイに視線を向ける。
「違いますう!」
女の子+妹と言われケイはほっぺを膨らませて抗議。
可愛いジャマイカ!
「えっ?親戚の子とか?近所の子?」
「彼はケイ。俺んちの居候」
「居候?やっぱ親戚?あっ、姪っ子」
「僕は男です!」
お兄さんの言葉を遮り訂正するケイ。
お兄さん、俺、ちゃんとケイを彼と強調して言ったのに、スルーしてくれしたもんね。
「えっ?男の子なの?ごめん、可愛いから女の子かと、いくつ?中学生?高校生?」
「23ですよ僕」
また、むくれつつ訂正。
「足のサイズかい?小さいねえ」
お兄さんはニコッとケイに微笑む。
「お兄さん、ケイは見た目は子供だけど23らしいですよ」
俺が訂正すると、お兄さんは目を見開いてケイをジロジロ見ている。
その気持ち良く分かりますとも!
「重ね重ね、凄く失礼だね。ごめんねケイくん」
お兄さんは深々頭を下げる。
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