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河童の川流れ 3話
何よりも同世代の子とこんなに仲良くなれて、一緒に遊ぶとか無かったから嬉しい。
お風呂の後はご飯食べて、テレビゲームやって、そして抱き合って眠りについた。
明け方、ふと、目を覚ますとマヨマヨの腕枕で寝てた僕。
直ぐ近くにある寝顔をじーっと見つめた。
可愛い。
エッチ上手くて大人っぽい時もあるけど寝顔はやっぱり子供。
幼くて可愛い。
トイレに行きたくて部屋を出て、 トイレ近くで巨大な何かにぶつかった。
…………………………………?
壁のように立ちはだかる影がゆっくり振り向く。
そして僕を見た。
「まあぁぁ~可愛いお嬢ちゃん、あらあ、あらあら、もしかしてお邪魔しちゃったかしら?」
巨神兵?
地球滅亡しちゃうの?
大きな影が僕に近付いてくる。
やだ、こわい。
炎の7日間になる前に仁さんに会いたいっ、
「仁さぁぁぁ~」
僕は目の前が真っ暗になった。
仁さん、会いたいです。
(※この前の日、ケイは美沙とナ〇シカを見てました)
らんらんらーらら、らんらんらん♪
どこかで聞いたメロディー。
ここ、どこだろ?
僕は暗いどこかを歩いている。
やがて人の気配。
誰か居るの?
そして椅子に座る小さい子供。
あれ?どこかで…………………?
近付くと小さい子供は僕自身。
ああっ、そっか、あの時の僕だ。
椅子にポツンと座っている小さい僕。
じゃあ、あの人達もいる?
少し離れた場所から聞こえてくる会話。
「えっ?あの子、無事に帰すんじゃないの?」
若い茶髪の男性が焦ったように一緒に一緒に居る男性2人に話掛けている。
「帰すわけないだろ!顔見られてるんだから!」
怒鳴るような声にビクッとなる僕。
ああ、そっか、だから僕は逃げたんだ。
走ってたら、捕まりそうになって、初めて怖いと泣きそうになった時に突然目の前に現れたヒーロー。
僕は仮面ライダーが好きで、ピンチになると助けてくれるものだと信じてた。
男3人をあっという間にやっつけたヒーロー。
ライダーに変身する前みたいなカッコいい顔立ち。
「お兄ちゃん、龍騎?」
なんて聞いてみた。
「龍騎?何だそれ?」
「仮面ライダーだよ。すごーく格好良くて強いの。お兄ちゃんみたいに」
そう言った気がする。
「ケイ……ケイ!」
うん?あれ?マヨマヨ?
目を開けると心配そうに僕を見つめるマヨマヨが居た。
「マヨマヨ?あれ?どうしたの?」
僕、どうしたっけ?
「倒れたんだよ。もう、ビックリした」
ホッとしたようなマヨマヨの顔。
倒れた?
「あ、夢見てた?譫言で巨神兵とか仮面ライダーとか言ってたよ。ケイ、仮面ライダー好きなんだ?」
あっ、そっか夢か。
あの時の夢。
仁さんが仮面ライダーに見えた時の夢だ。
ん?巨神兵?
「あ、目が覚めたみたいね。良かったわ」
ドスドスと部屋に入って来た巨大な生き物。
「パパ、急に来たらケイがまたビックリする」
マヨマヨが巨大生物を叱っている。
「ごめんね。私を見てビックリしたみたいで」
巨大な身体を小さくしたようにションボリとした感じが凄く可愛く見えて、
「いえ、あの、寝ぼけてて」
と身体を起こしてそう言った。
「大丈夫?倒れる時に抱き止めたからぶつけてないとは思うけど痛い所ない?」
僕の側に来て気遣う姿がとても優しくて、安心出来た。
「大丈夫です」
ニコッと笑う。
「そう?良かった。あ、紹介遅れました、私、真世のパパよ、この通り見かけはママなんだけどね」
大きな身体に似合わない優しい瞳と笑顔。
「はい。よろしくお願いします。僕は真世の友達のケイです」
と座ったままで失礼だけど、会釈した。
「男の子だったのねえ、てっきり真世のガールフレンドかと思ってたの」
フフッと笑うパパさん、可愛い。
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