156 / 326
河童の川流れ 5話
ジーッと見つめてたら、キスしたくなって仁さんの唇に僕の唇を重ねた。
プニッとやわらかい。
唇を離して閉じたまぶたにもチュッてキス。
睫毛長い。
シーツの中に入りたくなって、起こさないように入り込む。
人肌に温まったシーツが気持ちいいし、仁さんの横ってだけで身体が熱くなる。
仁さん………
僕、結構上手くなりましたよ。
まだまだって言われそうだけど前よりは上手いと思う。
寝ている仁さんのシャツを胸まで捲り上げてみた。
胸襟が顔に似合わず逞しい。
キスマークのあとが点々とある。
佐伯さんの仕業。
でも、ジェラシーとか良く分かんないから何とも言えないけど、こんなの見たら普通はヤキモチ妬くのかな?
そう考えながら僕は仁さんの乳首を口にふくみ、舌先でペロペロと舐める。
「んっ、……っ」
仁さんの漏らす声が僕を刺激する。
マヨマヨに教えて貰った通りにゆっくりと吸う。
「………ふっ……うぅ………んっ」
仁さんは身体をくねらせて声を漏らす。
やった~気持ちいいんだ!
もっと続けようとすると仁さんの腕が僕を抱き締めて来た。
近付く顔に僕は目を瞑る。
「…………けいっ?」
唇を待ってたのに、名前を呼ばれて目を開けた。
僕を見つめる大きな瞳。
キュンとくる!
あの時みたいだ!
『お兄ちゃん、龍騎?』
そう聞いた僕を見つめていた仁さん。
くぅぅ!かっこいい!
「ケイ、お前いつ帰ってきた?」
危うくさっき、と言いそうになり夜遅くと答えた。
「一人で帰ってきたのか?危なくなかったか?」
「大丈夫だよ」
僕がそう言って笑うと安心したような顔をする仁さん。
「…あ、ただいま仁さん」
ただいまを言っていなかったなあって思い出した。
「おかえり………で、何で一緒に寝てんだ?」
仁さんはジワジワと今の状況を理解したようで慌ててベッドから起き上がる。
今更だよね。
「温かいからです」
起き上がった仁さんにギュッと抱きつく僕。
幸せです!
********
マヨマヨside
学校のベランダでスマホで写メったケイにゃんの写真を見つめてため息を吐く僕。
なんだかなあ~
ケイにゃんと会うと何時もの僕じゃなくなる。
嫌がる相手だって平気でぶち込めるのに、
ケイにゃんがだめって言うなら素直に止める僕が居て、調子狂う。
本当はやりたい。
ケイにゃんをベッドに縛り付けて鳴かせたい。
きっと可愛く鳴いてくれる。
そして、
仁さんの話をする時のケイにゃんの幸せそうな顔が頭から離れない。
あんな顔を仁さんに見てるんだよね?
そりゃあ、僕だって仁さんを初めて見た時にいいなあ~奴隷にしたいなあ。犯したいなあ。アンアン言わせたいなあ~ってさ、思ったさ。
いつの間にかケイにゃんを犯したいって……………………………………………はあっ、僕どうしたんだろ?
「今泉、授業始まるぞ」
真後ろから担任の声。
授業かあ……、
そんな気分じゃない。
「先生、僕、具合悪いんで保健室行きます」
僕は振り返り担任の先生に嘘をつく。
「えっ?大丈夫か?付いて行こうか?」
僕の嘘を直ぐに信じた先生。
「1人で行けます」
僕は静かに教室を後にした。
普段は優等生。
身体が弱い演技もしているから、こういう時はかなり便利。
面倒なマラソンもさぼれるしさ、こうやって保健室で堂々とサボれる。
保健室のドアをノックするが無反応。
あれ?先生いないのかな?
ドアを開けると先生の姿はない。
ラッキー、ベッドに寝ちゃえ!
僕はカーテンで仕切られたベッドへと寝転がる。
考えるのはケイにゃんの事。
いま、何してる?
ともだちにシェアしよう!