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果報は寝て待て 5話

部屋中イラストでいっぱい………………………………っ、床にも散らばっている。 壁に貼り付けられたイラストは何百枚あるか分からない。 綺麗に色付けされた物から、鉛筆のラフ画まで。 しかも見た事があるイラスト。 って、言うか………………………………………………! 超有名人が描くイラストだ! 僕もその人が描くキャラクターが好きで、 だってゲームとか、 ラノベの表紙イラストとか、 アニメとか、 キャラクターデザイン画が凄くて。 萌とかの類のキャラクターデザインの第一人者とも言われる。 SHURI。 しゅり………… あー、小鳥遊朱理。 タカナシシュリ。 先生の下の名前って朱理だ。 僕は落ちているイラストを一枚、一枚拾い上げる。 男の子のラフ画。 しかもエロい………。 ベッドに縛られている男の子のイラスト。 段々と服を脱がされている。 そして気付いた。 このイラストの男の子は僕だ。 制服も少しアレンジしてあるけど僕の学校の制服だし、構図も写真撮られた時のものだし。 制服は一心不乱にイラストを描きまくっている。 パソコンには僕のエロい写真が。 そうか、僕をモデルにしてたのか。 「先生」 話掛けるが無反応。 別に無視してるとかじゃなく、僕に気付いていない。 僕は側のソファーに座り先生を見つめた。 真剣な目。 黙ってたら本当にイケメン。 長い指が綺麗なイラストを仕上げていく。 凄いなあ。 僕も先生が描くイラストが大好きで画集も持ってる。 学校でもオタクな彼等が休み時間には先生のイラストの話とかしてたもんなあ。 先生の描く女の子。 本当に萌えるし、 でも、僕は男の子の方が好きだし萌えた。 どんな子をモデルに描いているのかな?なんて思ったりしてたけど、実際に自分がモデルにされてイラストにされると照れる。 ラフ画を見てニヤニヤしてしまう。 貰ってもいいかな? なんて思ってるうちに眠くなって、ソファーに横になり少しだけ、目を閉じようと思った。 先生の仕事が終わるまで…… ******** 変態ハルside このやんちゃ子猫ちゃんをどうしたもんか。 俺の下でみゃーみゃー鳴いて抗議してんだけどさあ。 ぶっちゃけ、も え る。 涙目で俺を睨む姿たまりましぇん! 俺のJr.よ静にしておるのだぞ。 俺は仁一筋と決めたんでぃ! 多分、ケイは気付いてなかっただろうが、友達に会って来ると出掛けて帰って来た時に首の後ろにキスマークをつけてたんだよ。 仁が見たら騒ぐ。 酔った仁が見たら騒ぐどころじゃねえーし。 つけた相手は意図的にやっている。と思った。 本人に分からない場所でしかも、他人には容易く見つけられる場所。 裸にすれば背中にもあるはず。 ケイをくるりとうつ伏せにする。 着ている服をたくしあげた。 「や、やだっ」 ケイは驚いたように抵抗。 案の定、背中に薄く赤いあと。 真世の野郎。 相手は薄々気付いていた。 だから鎌かけてワザと怒ってみたら、やっぱり口にした名前、真世。 ならばキスマークは仁に対する挑戦状。 あのガキは何か企んでいるに違いない。 「やあだ、佐伯さん、離してよ」 バタバタ暴れるケイ。 白い滑らかな肌に細い腰。 真世が手を出したくなるのも分かる。 まさかと思ってジーンズと下着をずらした。 可愛い桃尻。 「やっ、佐伯さん何してっ」 ケイは更に抵抗。 あ~、相変わらずかぶりつきたくなる尻だよな。 尻にはキスマークは無かった。 全く真世のクソガキめ。 俺はジーンズを戻しケイを仰向けに戻す。 「真世と付き合ってるわけじゃないんだな?」 ケイは頷く。 「マヨマヨとは友達だもん」 うるうると涙目で見上げてくるよ、可愛いよちくしょーっ! あー、ネコミミ付けてぇ! そして気付いた。 酔った仁がケイを言葉攻めする理由。 この涙目だ。 半ベソかいたケイの可愛さのlevelは100近い。 モフモフの子犬が殺人毛玉のように、ケイの半ベソの可愛さは萌死にできるlevel。 外人の赤ちゃんがエンジェルちゃんに見えるように半ベソケイはエンジェルちゃんだ。

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