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果報は寝て待て 6話

うるうるりんと涙目のケイの手を離す。 あんまやると本気泣きされそうだし、本気泣きされると俺の中のドSが暴れ出しそうだしな。 うん、やばいよな。 男ってしょーもない生き物だよな。 「仁さんには言わないで下さいね」 起き上がったケイは俺の服を引っ張る。 「言われたくなかったらヤラせろ」とか言いたくなるくらいにケイのすがりつく姿は可愛い。 「言わねーよ」 そう言うとケイはホッとした顔をする。 「で、また真世に会うのか?」 「はい。ダメですか?」 「ダメって言う権利は俺にはねーし、真世にヤラレるのはケイの勝手だしな」 「真世はそんな事しませんっ」 ケイはプーと頬を膨らませる。 あーね、何だろうね、ハムスターみたいな可愛さは。 「んで、真世にどこまで教わった?上手くなってんのか?」 「真世は上手いって…………でも、仁さんは佐伯さんとエッチばっかでつまんないんです!」 と俺を睨んできた。 「そりゃ悪かったな」 「そうですよ、佐伯さんばっかりエッチして!僕だって仁さんとしたいです」 鼻息も荒く力説する美少年ってどうだろ? 萌える! 可愛くてエロいなんて変態にはたまらんっ。 「ネコミミ付けて誘えよ」 「えっ?良いんですか?誘っても」 目をキラキラさせやがって! 「お前も仁が好きなんだし、まあ……3Pした仲だしな」 って、俺らの関係ってかなり淫らだよな? まあ、良いか。 ヨソはヨソ、 ウチはウチ! 「じゃあ僕、もっと上手くなって仁さんを誘います」 ケイは両手で拳を握り決意表明している。 何か可愛くて、つい、頭を撫でた。 撫でるとケイはニコッと笑う。 あー、やっぱケイは可愛い。仁と二人でケイを鳴かせたい衝動に駆られる。 「佐伯さんはいつから仁さんと知り合いなんですか?」 「ん?10年くらい前かなあ?仁がまだ大学生かな?」 「仁さん格好良かったですか?」 「可愛かったなあ~あの時の仁とやりたい」 ヨダレが。 「仁さん昔っからカッコイイですもんね」 「おうよ!でも、あの頃は俺は普通に女の子と付き合ってたしなあ。仁も女の子と付き合ってたし、仁の可愛さには気付いてたけど抱きたいとは思わなかったんだよなあ。勿体無い」 「本当に勿体無いですね」 ケイはニコリと微笑む。 本当に勿体無いなあ。 あの頃はあんま仁と接点無かったもんなあ。 今みたいに仲良くなったのは俺が警察辞めてからだし、その後、仁もバイセクシャルだと気付いた。 俺の元同僚とラブホ入るの見た。 あーくそう!嫌な事思い出した! 仁の初めてってぶっちゃけ俺じゃねーよな? 今が大事だけど、まっさらな仁に唾つけた知らない相手に嫉妬してしまうじゃないか! ええい、考えるな! くそっ、今夜は仁をめちゃくちゃ鳴かしちゃる! そんな決意表明する俺だった。 ****** マヨマヨside 頬に誰かの手の感触。 誰? 目を開けると先生のアップ。 「せん…せえ」 じーっと先生を見つめる。 「中々可愛い寝顔だったぞ」 ニヤリと笑う先生。 僕……寝てた? どれくらい寝てたのかな? ソファーから起き上がると毛布が下に落ちた。 あっ、先生が毛布かけてくれたんだ? 拾おうとしたら先生が先に毛布を手にする。 「飯作ったからおいで」 先生は僕の頭を撫でた。 飯? 「何時ですか?」 目をこすりながら聞く。 「ん?14時くらいかな?」 14時? そんな長く寝てないのか。 テーブルに着くとホットサンドとヨーグルトやらサラダやらオレンジジュースが用意されてる。 「先生が作ったんですか?」 「ん?軽食で悪いな。冷蔵庫の中あんま無かったから」 先生は僕と向かい合わせに座る。 「いいえ。先生って………SHURIなんですね」 「うん。真世も知ってんだな」 「中学生男子が知らないわけないでしょ?あんな萌イラスト!クラスの男子……いえ、エロゲーやらアニメ好きならたまんないですよ」 つい、力説。 そして、笑い出す先生。 「あはは、真世って普通に子供なんだな。ただのエロガキだと思ってた」 そう言って笑う先生は子供っぽくて可愛く見えた。

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