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果報は寝て待て 7話

「どうせエロガキですよ。佐々木先生に全部聞いてるんでしょ?」 「全部は知らない、興味ないから。ただ、写メで真世を見てからいいなあって」 あれ? 「佐々木先生の復讐で僕に近付いたんじゃないですか?」 「復讐?何で?」 何でと返す先生に何で?と返したい。 僕はてっきり、佐々木先生の復讐をされるんだとばかり。 「だって、佐々木先生は僕のせいで学校を辞めさせられたし、飽きたからって捨てたのに」 「あーね、佐々木は自業自得。真世に未練タップリでさ、散々未練がましい愚痴を聞かせられながら飲みに付き合わせられたからな。ウザくてしょうがなかった。真世、捨てて正解。」 「そうなんですか……」 なんか、拍子抜け。 「その時に真世の写メ見せられてさ、丁度、依頼されてた仕事のモデルにいいなあって思って真世の学校に潜入したんだ」 「仕事ですか、エロい恰好させられたからBLとかでしょ?」 「当たり!人気BL作家の表紙と挿し絵頼まれてたんだ。先生と生徒の話」 「へえ~、じゃあ僕のモデルの生徒は先生に無理やりされちゃうんだ?」 あのポーズなら普通のエッチじゃないもんね。 「そう。生徒に人気がある先生が実は気に入った生徒を性奴隷にしていく話」 「まるで、さっきの先生みたいですね。僕を脅して脱がせて行った…」 あれはマジで犯れると思ったもん。 「楽しかったぞ。本当にやられるかと思った?」 「思いましたよ!僕、タチしかやった事ないからさ」 「へえ~、真世は後ろヴァージンかあ」 先生はニヤニヤして僕を見る。 「見た目ネコみたいですからね。佐々木先生も僕をレイプしようと体育倉庫に連れ込んだんですよ。でも、結局は僕にやられて喘いでましたからね」 佐々木先生に本気になられて捨てたんだけどね。 「本当、エロガキだなお前」 先生は呆れたような顔。 だよね、呆れるよね。 ケイも呆れるかな? 嫌いになるかな? 何でかなあ?ケイにはこんな風に呆れられたくないし、嫌われたくない。 「真世。そんな顔するとマジ抱くぞ」 先生が手を伸ばし、僕の頬に手をあてる。 僕は今、どんな顔しているんだろう? 「真世は本気で好きになった相手居ないの?」 本気で? うん……今までは居なかった。 初エッチも好奇心からだったし、気持ち良さから始まった性行為に快楽以外にどんな感情があるのか知らない。 「分からない……だって、気持ち良いからシてただけだもん。だから佐々木先生や他の人から束縛されるのが嫌だった。自分以外と寝ないでくれとか言われても意味分からない」 「快楽が先か。ガキらしい意見だな」 先生はニコッと笑う。 「どうせビッチとか思ってんでしょ?」 僕がそう言うと頬に当てられてた手がムニッとほっぺを摘んだ。 「自分でそう思ってんなら止めれば良いだけだろ」 先生の言葉はちょっとチクッときた。 自分が自分自身をビッチだと思ってたから。 「そうですね」 返事を返すと、先生の手は親指で僕の唇を撫でる。 「まあ、こんだけ可愛ければほっとかないよなあ。俺も……お前とやりたいし」 先生は席を立ち僕の側に。 顔を見つめられた後に顔が近付いてくる。 これは拒否るべきか? でも近付く先生の顔は少しケイを思い出して目を閉じてしまった。 「あー、もう!つまんねえなあ」 先生は唇がつく寸前にそう言った。 「誰かを思う顔出来るんだからさ、キスも拒否れるだろ?」 目の前の先生は何故か笑ってて、何故笑っているのか僕には理解出来ない。 「誰かを思うって?」 何の事を言ってるのだろう? 「好きなヤツ居るんだろ?なんか、そんな顔」 好き? …………すきっ、 あっ、そっかあ。 「今、改めて気付きました」 「はい?」 「ずっと考えてたんです。どうして、彼が、彼の好きな男の話をする時に見せる顔を見るのが嫌なのか。モヤモヤしちゃうのはやっぱり彼が好きだからです」 そうだ。 やっぱり僕はケイが好き。 「そっか、気付いたか。そりゃあ良かったな」 先生は頭を撫でてくれた。

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