170 / 326

果報は寝て待て 11話

******* 話が終わった事をソウさんに知らせようと隣の部屋を覗く。 が、 ソウさんの姿がない。 部屋には他にもドアがあるから、どこかへ出掛けたのかな? どうしよう。 何も言わずに帰るのは失礼だよな。 俺はせめて、もう一度お礼を言って、ソウさんの依頼の話も少しは出来るかな?と待つ事にした。 ソファーに座り佐々木さんの依頼をどういう風にしようかと作戦を練る。 真世に話をして、俺の事務所に佐々木さんを呼んで会わせるのも良いかな? それにしても真世のヤツめ! 佐々木さん……真剣だった。 大人があんなに泣くなんて余程の事だ。 でも、うーん先生と生徒の恋愛かあ。 美沙の読む漫画でしか無いと思ってたよ。 実際あるんだなあ。 ******* 変態ソウさんside 時計を確認しながら会議室を出る。 あー、もう!会議に時間取られちゃったよ。 仁くん帰ってしまったかな? 帰ってなければ良いなあ。 そう願いながらドアを開ける。 はうっ! な、なんと仁くんがまだ居る! 何時もは広いだけの部屋が仁くんが居るってだけで癒やしの空間に……。 しかもソファーでスヤスヤ寝息立てているじゃないか! まるで悪い魔法使いに魔法をかけられて眠っているお姫様のようだ。 近くに寄り寝顔を見つめる。 ああああっ、やっぱり可愛い! 仁くん♪仁くん♪ 君はどうして仁くんなんだい? なんてロミオ&ジュリエットみたいな台詞。 今日はラッキーデイだな。 果報は寝て待て? そんな感じか? 微妙に違う? まあ、何でも良いや。 俺は仁くんの頭をそっと撫でる。 「好きだよ仁くん」 何度も呟く。 ……ストーカーみたいとか、思われても俺の好きはもう溢れちゃって部屋中いっぱいになってるかもね。てへっ。

ともだちにシェアしよう!