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論より証拠。10話
「い、今言った事忘れて!」
ケイナは素直過ぎて自爆するタイプだな。
ソワソワして、身体全体で先生を知っているって語っているの気付かないのかな?
本当に可愛い。
「先生…の事、知ってるよね?」
僕に詰め寄られて俯いて小さく頷いた。
「叔父さん…」
やっぱり甥はケイナだったんだ。
「家族居ないって言ってたよね?」
「ごめん。僕、家出してるから言えなかったんだ」
「叔父さんと暮らしてたの?」
「お父さんはイギリス。僕も行くはずだったんだけど行きたくなくて叔父さんと住む条件で残ったの」
「どうして家出…したの?」
この言葉をいう時、ドキドキした。思っているような事をされてたの?
「それは…」
俯くケイナ。
「言えない事?」
「お願いマヨマヨ!お兄ちゃんには僕の居場所言わないで!」
必死に頼むケイナ。
「お兄ちゃんって呼んでるの?」
「うん。お兄ちゃん」
うわっ、萌える。
こんなに可愛いケイナにお兄ちゃんって呼ばれたら冷静じゃいられないよね。
「分かった言わない」
「本当?ありがとう」
「ケイナ、先生の絵のモデルやってた?」
「えっ?う、うん」
真っ赤になるケイナ。
「イラスト…際どい格好とかあったよ。裸…だったの?」
僕はケイナの身体をベッドへと押し倒した。
ギシッと軋むベッドの上、僕はケイナの首筋を舐める。
「あ……」
小さく上げた声。
舐めていく内に喘ぐ声に変わっていく。
「裸で先生に絵書いて貰ったの?」
次はピンクの乳首を指先で弄る。
「んんっ、あんっ、…うん……お兄ちゃんとお風呂に……入ったりしてたから」
弄った乳首はかたくなって吸いやすくなっていた。
だから、乳首をくちゅくちゅって吸ってケイナの甘い声を出させた。
「んんっ、まよ…」
ケイナは僕の頭を抱きしめてよがる。
「先生…エッチだよね?何かされた?」
「………気持ちいい……マッサージ」
「裸で」
ペロリと乳首を舐めあげた。
「ひゃう」
声を上げるケイナ。
先生…ケイナにエッチな事してたんだ。
頭の中はケイナが先生にエッチな事されてる妄想でいっぱい。
だから帰りたくない?
「ケイナ、大丈夫。僕が守ってあげる」
そう、僕が守る。
「まよ……」
僕の名前を呼ぶケイナ。
ぎゅっと抱きしめてあげた。
ケイナの体温が凄く温かくて、
顔を見合わせば笑ってくれる。
どうしよう。
すき。
ケイナが好き。
初めてかも知れない。
こんなにドキドキしてしまうのは。
迂闊に手を出せない。
仁さんを無理やりやろうとしていた僕が、
ケイナは傷つけたくないって思っている。
「マヨ、どうしたの?」
僕を見つめる彼のオデコにキスを落とす。
「ケイナ、可愛い」
そう言いながらキスする場所を変えていく。
キスの分だけ好きが溢れている。
*******
仁side
な、何か、
俺、絶対何かやってる!
目を開けると真っ裸なハルさんに腕枕されてた。
しかも……ラブホだよなココ?
知らない場所。
俺、確か…依頼人に会って、ソウさんの会社に……………
あーっ、楠木!
楠木に会ったんだ!
エッチな事をされた記憶が蘇り沸々と怒り&羞恥心が。
楠木に無理やりぶち込まれそうになって、
ああーっ、
やってないよな?
記憶ねえー!
あの楠木の事だ。無理やり……
寝ているハルを見つめる。
ハルさん以外とやったかも?
ああ、やってませんように!
「仁、起きたか?」
俺がもぞもぞ動くからか、ハルさんが目を覚ました。
でも、何で俺はハルさんとラブホに?
「あ、あの、ハルさん………俺、どうしてハルさんとラブホに?」
聞くのが一番だよな?
「んー?仁が誘ったんだよ」
まだ眠そうに答える。
えー、覚えてない!
「すみません……また酔ってました?」
「あ~、そっか、記憶飛ぶんだよな」
頷く俺。
「じゃあ、無理やり俺を縛り付けて犯したのも記憶ないかあ」
あああっ、俺はまた……
もう俺のバカ!
「すみませんすみません!」
何かもうやだっ。
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