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急いでは事を仕損じる。 11話

******* 仁side 「なあ、探偵事務所一緒にやんねえ?」 「へ?」 朝食を食べながらハルさんに唐突に言われた。 「同じ職種なんだし、別々にやる必要ないだろ?」 「まあ……そうだけど」 「それに美沙ちゃんに金、ぼられてばっかりだろ?」 確かに。 「二人の方が仕事やりやすいし、人手があるにこしたことない」 そうかもっ! 俺は頷く。 確かに、ハルさんと組んだ方が利益もある。 顔が広いし、喧嘩も強いし、頼りになる。 「お願いします」 と頭を下げた。 「よっしゃ、お願いされちゃる」 ハルさんは笑いながら俺の頭をワシャワシャと撫でた。 ***** とりあえずは、佐々木さんの依頼を片付けてしまおう。 佐々木さんの依頼かあ………どうしようかな? マヨを説得して佐々木さんと会って貰うか? 嫌がるかな? うーん……でも、依頼受けちゃったし。 まあ、悩むよりも行動だな~。 ってなわけでマヨの通う学校に来てみた。 学校とか久しぶり過ぎて眩しいぜい! あ~、でも、あまりウロウロしてたら変質者と間違えられそうだから、手っ取り早くマヨの事を聞こう。 3年生らしき生徒を適当に捕まえて聞いてみると、 「休んでるみたいですよ」と返事が返ってきた。 なにぃ! アンズママはマヨは学校へ行ったって……あいつ、サボリか! やっぱ、ママんちでマヨを………と思ったが、訪ねた時に拉致監禁されそうな勢いでご飯食べていけとうるさかったしな。 長時間いたらどんな目に合うか分からない。 困ったぜ。 とりあえず今日は帰ろう……。 トボトボと歩く俺。 なんだかな~ まあ、空振りは良くあるし。 「仁さん」 真後ろから名前を呼ばれた。 しかも、捜してた相手。 「マヨ、お前ーっ」 勢い良く振り返りマヨを見る。 制服着て立っている。 「学校は?」 「サボリ」 悪びれた様子もなく無邪気に笑うマヨ。 「サボリじゃねーだろ、ちゃんと学校行け、」 俺はマヨの腕を掴んだ。 その瞬間、 バチッ!!! 首筋に衝撃を感じ、意識が飛んだ。 ****** ケイにゃんside 「マヨくん、ケイちゃん助けてくれたんだ、可愛いわねえ」 僕はマヨマヨに助けて貰った事を美沙さんに話している。 いつもニコニコしながら美沙さんは聞いてくれるから嬉しい。 「もうさ、マヨくんと付き合えば?」 「えっ?」 美沙さん、突然何を! 「ケイちゃんとマヨくんってお似合いだとお姉さんは思うの。それに……エッチな関係でしょ?最後までしたんじゃないの?」 美沙さんは僕の首筋を指先でつつく。 「キスマーク、初々しいわ」 キスマーク……やばいっ! また、付けられたんだっけ? ダメって言ってもマヨマヨはキスマークが薄くなってくると上書きするようにそこに吸い付いてくる。 「まだ、やってませんっ」 慌てて否定。 「まだなの?マヨくん良く我慢出来るわね感心するわ」 美沙さんは頷いている。 「最後までやりたくないの?ケイちゃん欲求不満でしょ?もう何日、仁に抱かれてない?」 「よ、欲求不満とか、そんなっ」 確かに仁さんとエッチしてない日々が続いてる。 酔わないと抱いてくれない仁さんは佐伯さんとは毎晩してる。 佐伯さんばっかズルい! 僕も仁さんに……仁さんの意地悪。 僕をエッチな身体にしたくせに放置! 「仁にさ、マヨくんとエッチしてるって言ってみたら?ヤキモチ妬いて、抱いてくれるかもよ」 「えっ?」 僕は美沙さんを見た。 「マヨくんと最後までやっちゃいなよ。仁にエッチなお仕置きされちゃう為に」 「エッチなお仕置き?」 「そうよ、だって今朝も私にケイちゃんに手を出していないかとか聞いてきたもん、気にはしてるのよ」 「そうなんですか?」 「そうよ、だから、お姉さんにマヨくんとのエッチの話を詳しく話してみて。それで判断してあげるから」 美沙さんは僕の肩をガシッと掴み、息を荒く吐いてなんだか怖い。 それから僕は美沙さんに根ほり葉ほり、夕べの話を聞かれた。

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