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暖簾に腕押し

酔った俺って酷い事するみたいだし、あの生意気なマヨが謝るなんて! きっと、 「おら、脱げよ!俺とやりたいんだろ?」 「いや、来ないで!」 「うるせえんだよクソガキ」 嫌がるマヨの服を剥ぎ取り……無理やり、 「いや、痛い!痛い、やめて」 四つん這いで激しく突いて嫌がるマヨを何度も…………いやあっーっ 俺って最低! 「マヨ、俺、何かしたよな?」 恐る恐る聞く。 「僕が悪いんです」 マヨはそう言って泣き出す。 えっ?えっ? 何で、何で泣くーっ。 「ごめんマヨ、俺何も覚えてなくて」 とりあえず謝ろう。 謝って済む問題じゃないかもだけど、 しかも未成年…… ああ、ハルさんごめんなさい。俺は性犯罪者かも知れません。 しかも未成年にたいする淫行。 頭パニックな俺、どどどど、どうしよう。 汗ダラダラ… 「なあ、君、大丈夫?」 「へ?」 マヨ以外の声。 声がした方を見ると、これまた裸に近い成人男性1名。 しかも知らない人。 「あ、あの、初めまして」 と普通に挨拶をしてハッと気付く。 俺………………………………3Pしちゃった? まさか、マヨをこの知らない男性と……。 だからマヨだけ素っ裸。 きっと、2人から交互に犯されてマヨは平常心じゃいられなくなり、謝り続けて……… うわあぁぁーっ! 俺のばかーっ! 「なあ、ほら、落ち着けって、マヨ、泣いてないで水持ってきて、多分パニック起こしてるから、この子」 見知らぬ男性は何を言っているんだろう? この子って誰? マヨ? 「ほら、大丈夫だからさ息をゆっくり吐こう」 男性は俺を抱き寄せ背中をさする。 えっ?えっ? 何してるんすか? 「仁さん、水」 マヨが目の前に水を出してきた。 「飲める?」 男性は何故か俺に水を飲ませようとする。 でも、喉乾いているから丁度良いかも。 グラスが口につけられたから、水を飲んだ。 ゴックンとなっ。 …………で、 思わず飲んじゃったけど。この状況を誰か説明してくれないかなあ? 何で俺は見知らぬ誰かと見知らぬ部屋に居て、泣いて謝る裸のマヨとベッドに居るのかを……そして、さらに気付く。 俺の着ている服って制服? 穿いてるズボンからシャツにブレザー。 制服……、うん、制服だよ。 制服ですよね?なんで?えっ?なんで? とりあえずは俺よりも今の状況を知っているはずの二人のどちらかに聞こう! 俺は泣いてるマヨよりも冷静っぽい見知らぬ男性を見た。 うん、見上げる感じ? だって、俺の背中をさする為に腕の中ですもん。 顔、ちかっ! 「のあっ、ちょ、すみません」 慌てて離れた。 「もう大丈夫?」 男性はニコッと笑う。 その笑った顔が誰かに似ているような気がした。 誰だっけ? 「だ、だい、大丈夫です」 「本当に?顔色悪いみたいだよ?」 男性の手が顔に触れた。 「ひゃっ」 おっと、変な声出たーっ! 「そんなに警戒しないでよ?俺、襲ったりしないよ」 クスクス笑う男性は、いくつくらいだろう?20代前半? やっぱ、誰かに似てる。 「仁さん、怯えなくても大丈夫ですよ。先生は変な人じゃないです」 マヨもフォローしてきた。 うん、フォローも良いけど服着ようよ、目のやり場に困る。 「マヨ、服は?なんで、裸なんだよ?えっ?先生?」 そうだよ、先生って言ったよな今? 「うん。ちょっと前まで先生だった人。小鳥遊先生」 たかなし? 「そう、ちょっと前まで中学校で臨時教師してた小鳥遊です。よろしく仁くん」 「よろしく…あれ?俺名前言いました?」 「マヨが散々名前呼んでるから」 「あっ」 そうか、何か恥ずかしい。顔が一気に熱くなる。 そんな俺をじーっと見る元教師の小鳥遊さんは、 「なんか、仁くん可愛いね」 ニコッと人懐っこい笑顔を見せた。 「か、可愛い?俺、男ですよ!しかも三十路いってるし」 可愛いっていうのはマヨとかケイとか……、 あっ、そっか、 ケイに似ているんだ。

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