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暖簾に腕押し 14話

仁の温かい口内に指を突っ込むだけで興奮するのは今のシチュエーションのせいだな。 くちゅくちゅと音をさせながら指をしゃぶる仁。 「もっと唾液つけて」 唾液をたっぷりとつけさせて、その指を仁のアナルへ。 クプンッ、 2本同時に挿れた。 「アッっ、」 声を上げて反応するこの瞬間がたまんねえーっ、だって、指を中で動かすと仁の息が上がり、そして喘ぎ声を出して反応してくれんだぜ? 可愛い仁が指だけで乱れてくれるこの瞬間だけで飯何杯もいける! 「はる…さっ」 ほらほら、気持ち良さげに名前まで呼んでくれてるよ! 「先生だろ、せ・ん・せ・い」 耳元で囁く。 「せんせい」 恥ずかしそうに先生と言葉にする。 ぐはっ、 やばい、そげん恥ずかしそうに先生とか言われたら理性がぶっ飛ぶ。 もうちょい奥へ、 あんま奥へ挿入したら天使エロスが降臨しちゃうから我慢、我慢。 通常仁をもう少し楽しまないとな。 ***** 楠木side 俺ってば何やってんだろ? 先輩とエロい事するはずだったのに、 壁に耳を押し付けて隣の様子を盗み聞きしてる現状。 先輩に逃げられた。薬が少な過ぎて、我に返った先輩は隣で彼氏と続きしてんだよーちくしょーっ! それもこれも俺と向かい合わせで必死に壁に耳を押しつける社長のせい。 社長が邪魔しなきゃ、エッチ出来たかも知れないのにさ! 『あんっ……あっ、ハルせんせえ、』 壁の向こうに先輩が居て彼氏に淫らな行為されててさ、 ムカつくんだけど? 俺らにはあんな嫌がってさ。 彼氏にはこんな淫らになるんだ? 本当にムカつく。 確かにカッコイい彼氏。 このアホ社長と兄弟とかウソだろ?って思うくらいに男臭くて、 体格良かったなあ。 見た感じエッチ上手そうだし、チンコでかそう。 つーか、先輩に突っ込んでるんだよね?あの人が…… くそう! むーかーつーくっ! 俺はつい、怒りに壁をガンッと殴ってしまった。 すると、ピタリと喘ぎ声が収まる。 ああ、荒ぶる俺のばか! ****** 仁side ドンッ、 結構大きな音が壁から、っていいますか、隣から聞こえてビクッとなった俺。 なーーーっ、隣って、そうだよ、お兄さんと楠木が居る。 そして気付く、 壁薄いって事に。 「は、はるさん、隣から苦情がっ」 行為の途中だけど、我に返るとすごーく恥ずかしい。 声とか、隣に…… 「気にするなよ、どうせ何かやってて壁にぶつかっただけじゃね?」 ハルさんは行為を続行中。 止めて欲しいのに挿れた指を抜いてくれないどころか、俺を壁に押し付けてきた。 何でハルさんは気にしないのだろう? 何かやって……やってたよな? 楠木とお兄さんが重なって…。 そうか、いま、真っ最中で…… あっ、でも、その割には声は聞こえなかった。 「で、でも、気になります!」 俺はとにかく、壁から離れたかった。 「だから気にすんなって、それとも中途半端で止めるって言うのか?」 ハルさんは中で指2本をバラバラに動かす。 ひゃっ………やばい、それっ、危うく声が出そうになり我慢。 「は……る、さっ……だめっ」 何とか身体を動かしてみるけど、その行為はただ俺に刺激してくるものになっていて、 「どうしたのかな仁くん?腰、動いてるけど?」 ハルさんは意地悪だ。 腰なんて動いてな……………くない。 微妙に腰がへこへこ動いてるやん俺! き、 きもちいい………、 ハルさんは俺を知り尽くしているから質が悪い。 声、我慢しなきゃ! 俺は自分の手を口元へと持ってきて、波のようにやってくる快楽に声が出ないように押さえる。 ……んっく、だめっ、… 刺激にゾクゾクと身体が震える。 「んじゃ、そろそろいきますか仁くん」 ハルさんは俺の後ろに硬くなったモノをぐっと押し込んできた。 「だ、だめえ」 思わず叫んでしまった。

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