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窮鼠、猫を噛む
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ケイにゃんside
ふわふわして、 温かくて、気持ち良くて目を覚ました。
あれ?
まだ、夢の中なのかな?って一瞬錯覚した。
僕の目の前にマヨマヨが居る。
しかも、腕枕してくれていて、抱っこされてる。
ここ…仁さんのアパートだよね?
確認すると仁さんのアパート。
いつの間に?
しかもマヨマヨは制服のままだし、 あれ?もしかして学校行ってないの?
ゆっくり起き上がる。
部屋は静かで、仁さんが戻って来た気配はない。
ちぇっ、 ベッドから降りようとする僕の腕は掴まれ、ベッドに戻された。
「マヨマヨ、起きてたの?」
僕をイタズラっ子みたいな微笑みで見ているマヨマヨ。
「今起きた」
「マヨマヨ、学校サボったでしょ?ダメだよサボっちゃ」
僕がそう言うとマヨマヨはぎゅーっと僕を抱き締め、
「はーい」
と返事をする。
「苦しいよ」
胸にギュッと顔が埋まってしまって苦しい僕は抵抗。
「だめ、離さない」
益々力を入れられた。
「もう~マヨマヨって甘えん坊」
「うん。甘えるのはケイナだけだよ」
なんて可愛い事を言うマヨマヨ。
そんな事言われたら嬉しくなっちゃう。
「ねえ、マヨマヨはいつ来たの?」
「1時間前に仁さんと」
えっ?仁さん?
「仁さんと一緒に来たの?どうして?」
「途中で会ったんだ。」
「仁さん、部屋居ないよね?どこ行ったの?」
「佐伯さんとこでしょ?」
ちぇっ、やっぱり。
「サミシイ?」
「えっ?」
「いつも佐伯さんとこ行くから寂しいんでしょ?」
「寂しいけど……仕方ないもん」
佐伯さんは恋人だもんね。
「ケイナは平気?好きな人が他の人とセックスするの」
マヨマヨは体を離し、僕と目を合わせた。
「僕はね、平気じゃないケイナが仁さんとセックスするの」
「えっ?」
マヨマヨはいつになく真剣な顔。
「仁さんには触られたくない」
「マヨマヨ…どうしたの?」
「僕は……ケイナが好き…」
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