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窮鼠、猫を噛む 6話

警察に保護された後はパパがやたら過保護になり、1人で自由に外出出来なくて仁さんに会いたくても会えなかった。 隣のお兄ちゃんが捕まり、お隣は引っ越して行った。 「そっか、仁さんは恩人なんだ……やっぱりカッコイいね仁さん」 話を聞いたマヨマヨは切なそうな顔をした。 「うん。あの時、仁さん来なかったら僕は殺されてた」 「変態野郎にも……あー、ムカつく!幼いケイナにそんな事」 マヨマヨは自分の事みたいに怒る。 「仁さんの居場所は警察から聞いたの?」 「ううん、お兄ちゃんが探してくれたんだ」 「えっ?」 「この前言った、お兄ちゃん」 「もしかして、お兄ちゃん……て仁さんの事知ってるの?」 「うん。カッコイいねって…どうして?」 「やられた」 「えっ?」 マヨマヨの呟きに返事をすると、何でもない。と笑って誤魔化すマヨマヨ。 「だから、僕は16になるまで待ってたんだよ」 龍騎みたいに格好良かった仁さんにもう一度会いたかった。 仁さんは忘れていても、僕は覚えているから。 ****** 仁side 誰かの話声で目を覚ました。 ハルさんのベッドの上、ゆっくり起きあがる。 声はハルさんで、ボソボソと小声だったから仕事の話かな?なんて思った。 俺って、いつの間に寝たのかな? 制服はキチンと着ていて、確か…ハルさんと………、 途中までしか覚えてなくて、確か…バッグで激しく突かれた後からの記憶がない。 まあ、何時もの事なんだよね。 気付くと朝。 せっかくのハルさんとのセックスの記憶が途中までしかないとかね、最近は勿体ない気がする。 「起きたんか?」 電話を終えたハルさんが戻って来た。 「んっ、制服キチンと着せてくれたんですね。すみません」 俺の記憶ではズボンと下着は脱いでたような? 「制服仁、最高だからな」 最高とか言われたら、制服をまた着ても良いな?なんて考えてしまった。

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