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窮鼠、猫を噛む 7話
「着替えてきます」
まあ、制服はたまにで良いけどね。
「え~脱ぐんか?」
ハルさんは残念そう。
「借り物ですからね」
「あ~マヨの友達だっけ?」
ハルさんにそう言われて思い出した。
「ハルさん、SHURIって知ってますよね?イラストレーターの」
「ああ、知ってるよ。ゲームとかのキャラクターデザインしているSHURIだろ?エロゲーとか、最高だからな」
ハルさんはニヤニヤ。
「そのSHURIに借りたんです」
「はああっ?」
ハルさんの声が大き過ぎて耳がキーン。
「何でSHURI?会ったのか?どうなんだ?」
ハルさんが怖いくらいに食い付いてくる。
そんなにファンなのかな?
「あ、会いましたけど?ハルさん、ファンなんですか?だったら制服返しに行く時、一緒に行きます?」
ハルさんは目を大きく見開いて、
「そうか、借りたもんは返さないとな。一緒に行くから絶対に1人で行くなよ!」
ちょい、真剣な顔。
あー、真剣な顔も格好いいなあ。
「聞いてるのか?」
「あ、聞いてます、聞いてます!ハルさんをちゃんと誘います」
慌てて返事をする。
「絶対だからな」
念を押されて、そんなにSHURIに会いたいのかあ~って複雑になる。
ちぇ、ヤキモチ妬いちゃうからな!
「じゃあ、着替えてきます」
「あ、待て」
ハルさんに呼び止められたけど、そのまま玄関へ。
「こら、待てって」
追いかけてきたハルさん。
俺は振り向かずに靴を履く。
「何かご機嫌ななめ?」
ちょいヤキモチ妬いてる俺の空気を読むハルさん。
「別に」
ぷいっとドアの方を向いて開ける。
「こら、待て」
なんて言われたけどハルさんを交わし外へ。
ちぇ、これくらいの意地悪させて欲しい。
SHURIは可愛いというか綺麗な顔をした男性で、ハルさんは見た事あるのかな?
それとも純粋にイラストが好きなだけ?
どちらにせよ、何か必死なハルさんがヤダ!
そして思うのが俺ってヤキモチ妬きだったんだなあ~。
30ちょい生きて今頃自覚。
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