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愛は小出しにせよ 15話

僕が舐める度にマヨの身体はビクビクと反応している。 仁さんとは違う僕と同じ子供の身体。 いけない事してるよね僕。 仁さんに無理やりな事しちゃったもん。 ………悪い事だってわかってる。 酔った仁さんは僕に散々お仕置きして、許してくれた。 そして、「約束覚えてなくて悪かったな」って耳元で囁いてくれた。 覚えてなくても……それでも、悪かったなって言葉でなんか、凄く…… 「ケイ」 マヨに名前呼ばれてギュッと抱きしめられた。 「無理しないでよケイ……泣かないでよ」 マヨの指先が僕の目元を撫でる。 泣いて………ないよ? 「仁さんと何かあった?酔った仁さんって人が変わるから……もしかして酷い事された?」 僕は首を振る。 「酷い事したのは僕だよ………佐伯さん居るってわかってるのに……でも、仁さんはいいよって……悪いと思ってるならいいって」 僕はマヨにギュッとしがみついた。 すると、身体が反転して、僕が下になってしまった。 「僕はケイが好き!!絶対に泣かさない。仁さんに敵わないけど、僕の好きは負けない」 僕を見下ろして真剣な顔。 真剣な顔からマヨの気持ちが伝わってくる。 「マヨ、ギュッてして」 僕がそう言うとマヨは僕に体重をかけてきて、ギュッと抱きしめてくれた。 「マヨ………僕が1番中途ハンパだね………マヨが好きなのは嘘じゃないよ?でも、でもね、仁さんもやっぱり好きなの」 そうだ、僕が1番中途半端。 仁さんに恋人いても好きって思ってたクセに、マヨも欲しくなっちゃって、凄く欲張りだ。 「僕はマヨも欲しい………ごめんね、欲張りで」 そう言うとマヨは僕のホッペタをペロリと舐めて、 「しょっぱいね………ケイ、僕もね、ケイがほしい。独り占めしたい。でも、心はさ、どうしても独り占め出来ないでしょ?昔の僕なら、ワガママとか言ったり、そんなんなら、いらないとか言ってたけど、ケイは特別。ケイが仁さんを好きでも、好き………大好き」 マヨはその後にたくさん、キスをくれた。 唇にキスが落ちてきた時は………僕もマヨの首筋に両手を回してたくさん、キスをした。 キスをたくさんした後に、 「ケイ、大丈夫だよ。僕はケイを待てるから」 そう言ってくれた。 「マヨ………」 マヨの気持ちが嬉しくて、また、泣いてしまった。 僕は本当に泣き虫で、ズルい子だ。 「ケイ、大好き」 マヨはそう言ってまた、沢山キスをくれた。 待っててくれるなら、待ってほしい。 ちゃんと、気持ちに決着つけるから。 ズルくてごめんなさい。 でも、どうしても、仁さんが心の奥に居るんだもん。 子供の頃からずっと、ヒーローみたいに憧れた仁さん。 仁さんも好き。 マヨも好き……… ほんと、僕はズルい子だ。

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