292 / 326
愛は小出しにせよ 21話
◆◆◆◆◆
ハルside
ハアハアと荒い息が部屋中に響く。
俺と仁と……クソソウの吐く息だ。ぶっちゃけ、コイツの吐く息が1番荒いと思う。
仁を興奮させようと窓ガラスに連れて行ったのが間違いだったな。まさか声が漏れてるなんて……
くそ!お陰でめんどくさい野郎が部屋にズカズカと来やがった。
でも……いい機会だよな?コイツは仁を狙っている、隙あらば……って感じだからな。
俺と仁の間に入る隙間なんぞないと教えてやる!!仁は快楽の奴隷になっているからどんな事もするしな……
でも、もったいないよな。見せるのはよ!
だが、しかし、ソウが部屋に入ってきた瞬間に仁はきゅきゅーとアナルを締め付けてきた。
しかも、興奮してるみたいで、俺に尻を押しつけていている。こりゃ、やるしかねえ!
ソファーに座り、興奮している仁を抱いているのだけど、ソウの鼻息が荒くて怖い。
目もギラギラだし。
そして、仁は「んん、気持ちいい……もっとお」って自分で腰をヘコヘコ動かしている。
腰を持ち上げて仁の身体を上下に動かし下から突き上げると「ああああああ、はるぅ!!」と涙目で俺をみつめ、キスしてくる。
だから、チュパチュパとキスしながら動かす。
そして、一気に突き上げると俺は仁の中で精子を放った……果てしない宇宙に我が子を放つような……
仁も同時にいったようで、「ああああああ!」なんて、叫んで俺の方へ倒れてきた。
射精したのかと思ったけど、チンコからは何も出ていない……っていう事はドライオーガズムやったな。
「仁、お前、本当にエッチだな」
と寄りかかる仁に声をかけるが、反応なし。あれ?と顔を覗くと失神していた。
ああ、天国タイム終わりかあ……まあ、楽しんだけどな。野獣仁ともやれたし。
「じ、仁くん動かないぞ?お前が無理させるから」
ハアハアしていたソウが心配そうに仁を見ている。
「失神したんだよ、絶頂迎えるといつもこうなんだよ」
仁のアナルからチンコを抜いた。ドロりと流れてくる俺の精子。
洗ってやらなきゃな……
仁をソファーに寝かせるとソウがガン見してくるので、俺の服を股間にかける。
「ああ、見えないだろ?」
とキレられる。理不尽な!!
「お前な、仁は俺の恋人なの!俺の許可なしでは見れないんだよ」
「はあ?名前でも書いてんのかよ?だいたい、お前のモノは俺のモノだろ?」
なんか、カチーン!!
ソウの頭をガツンと殴り、「お前はジャイアンか!!」と怒鳴った。
「いっ!!!お前、兄ちゃんになんてことを!」
「あ?ほんの、ちょっと出るのが早かっただけだろ?」
「ちょっとでも、兄ちゃんは兄ちゃんだ!前はお兄ちゃん、お兄ちゃんって可愛げあったのによお!」
ソウは何かあればお兄ちゃんだと言って有利に立とうとする。卑怯というか、負けず嫌いというか、アホというか……
「お前な?30overの野郎がお兄ちゃん、お兄ちゃん言ってたら気持ち悪いだろ?」
「えっ?仁くんって三十路言ってるんだろ?気持ち悪いのか?俺は仁くんにお兄ちゃんって呼ばれるの好きだ」
いきなり仁……確かに仁も三十路だが!レベルが違う!!こいつ童顔で可愛いし。なんせ、エッチな仁はショタっ子。
「仁の事じゃねー、俺の事だ」
「あ?ハルか、ハルなら気持ち悪いかも」
しれっと気持ち悪いとかいいやがったぜコイツ。
「とにかく、部屋出てけよ、風呂入るんだから」
俺は仁の身体を抱き上げる。
「な、なんで仁くんまで」
「洗ってやるんだよ!」
「狭いだろ?2人無理だよ!」
何故かソウは行く手を阻む。
「仕方ねーだろ、このアパートの風呂狭いんだから」
「俺の経営しているラブホの風呂貸してやるよ」
「ラブホ?お前、そんなものまで経営してんのか?」
「な、なりゆきで」
風呂……確かにこのアパートの風呂は狭いし、たまに水になる。
デカイ風呂いいなあ。
「く、車取ってくる」
ソウはバタバタと部屋へと戻って行った。
ラブホでセックスするのもいいなあ。
俺はニヤニヤしてまったぜ!!
ともだちにシェアしよう!