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鬼が出るか蛇が出るか。 2話

「仁、起きちゃっただろーが!」 まあ、起きてくれないとセックスは出来ないんだけどね。 「う、すまん!」 ソウは申し訳なさそうに謝る。コイツが直ぐに謝る事は無いに等しいのに、仁絡みだと謝るのな……なんか、複雑。 起きたばかりの仁は身体を起こして周りをキョロキョロしている。 見慣れない風景に戸惑っているようにも見えてる。不安そうな仁もかわゆす!! 「ここ……どこですか?」 俺を見る仁。 ああ、ここはラブホで今からここでセックスするんだよーーん!!的な発言を言いたいが、俺の視界にソウの後ろ姿が侵入してきた。 「仁くーん!起きたの?起きぬけの顔も可愛いねえ……ここはね、俺の経営するホテルでジャグジーにハルが入りたいとか駄々こねるから連れてきたんだけどね、仁くんは寝たままだったからそのまま連れて来たんだ」 ソウはぺラペラと嘘を発した。 コイツ、すげえよな。こうやって学生時代やら親を誤魔化してきたんだろうな。 頭が良くないと機転は利かないけどな。 「お兄さんのホテル?」 仁は信じたようで、部屋をぐるりと見ている。 「お腹空かない?ここの料理も美味しいんだ」 「……お腹……空いてます」 仁は考えてながら、きっと、腹空いてたんだな。空いてます言ってるから。 まあ、ガンガン身体動かしたもんな。 「待ってて!!」 ソウはニコニコしながら部屋に備えつけてある電話を取ると注文をしている。 「ハルさん」 邪魔なソウが一旦、離れたので仁は俺を見る。 「ん?」 「こ、ここ、凄いですね!!お兄さん、凄い!こんな立派な!ジャグジーとかあるんですか?どこですか?」 仁は食い気味に目をキラキラさせていて可愛い。 「ジャグジーはこっちだ」 仁の手を握り、ベッドから降ろすと風呂場へ。 「わぁー!!すごーい、ひろーい!!」 仁はテンション上がってはしゃいでいる。 「お湯入れる?」 「うん!」 物凄い笑顔で頷く仁。 くそー!可愛い顔しやがってええ。 俺はお湯をバスタブへと入れる。 「一緒入ろうな」 と俺は仁の服を脱がそうとするが「ちょっ!!」としっかりと阻止された。 「何で止めるんだよ?脱がないと入れないだろ?」 「一緒とか……お兄さんが居るんですよ?ダメです!ハルさん絶対にやろうとするから……お兄さんにまた声とか聞かれちゃう!!」 何かと思えば、そんな可愛い理由。 「気にするんな」 仁の肩に手を置き、微笑む。結構イケメンな微笑みしたと自分でも思う。 「気にします!」 「1人づつ入りましょ?」 「広いから3人で入ろう」 いきなり、ソウが会話に入ってきた。 この野郎!!ちゃっかりと! 「お、お兄さん……」 仁は何やら少し顔が赤い。 えっ?ソウが入ろうと言ったから?何?仁の照れた顔とか笑った顔とかエロい顔とか泣いた顔とか……全部俺の!!俺のなのに、俺以外の男の言葉に顔を赤らめるってどーいう事だよ、オイ……。 「温泉だと思えばいいんじゃないかな?広いだろろ?恥ずかしいなら水着とかつけてもいいし」 「水着ですか?」 「あるよ?」 オイオイ、風呂入るのに水着とか君達、頭どうかしてるよ!! 「バカ野郎!普通にタオル巻けばいいだけだろ?」 って、俺も何で3人で入る事に同意したような意見を。 「ソウは後から!とりあえず、仁、先に入っていいぞ?」 俺はソウの背中を押して風呂場から出そうとする。 「えっ?でも……だ、ダメですよ!俺は後ででいいです」 「じゃ、俺と」 ちゃっかりと手を上げたソウの頭をどつき、仁を残して風呂場を出た。 「ハル!!お前、折角、仁くんと」 ぷんぷん怒るソウ。 「うるせえ、お前とは入らせねえ!」 そう言って、俺はカーテンを開ける。 風呂場に残され仁がポツンと立っている姿が見えた。 風呂からはマジックミラーなので、鏡だ。 さて、今から仁のストリップショーが始まる。

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