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鬼が出るか蛇が出るか 3話
暫くはボーッとしている仁。
多分、入るか入らないかを悩んでいるのだろうな……あ、でも、まだ、バスタブに少ししか溜まっていないせいもあるかな?
じっーとバスタブを見つめている。
居るよな……ああやって見つめている奴。電子レンジとかも回っているのをじーっと見ているのが仁だ。
可愛いと思う。
仁はバスタブのお湯が半分近くになってくるとソワソワしだした。
入ろうか、どうしようか悩んでいるようだ。
本当、分かりやすいなあ俺の仁は。
ソワソワ落ち着きなくなり、顔がワクワクした表情に変わった。
ああ、入りたいのか!!
俺の思った通り、仁は服を脱ぎ出した。
1枚、1枚脱ぐ仁は妙に色気がある。
脱ぐ事に肌の露出も高まり、上半身は全て脱いでしまった。
すると、どうでしょう?
白い仁の肌には俺がつけまくったキスマークがあちらこちらに花咲いている。
さて、残るはパンツのみ……。
それに手をかける仁。
「ふおおお!仁くん!!」
興奮して窓に貼りつこうとするソウを羽交い締めにして止める。
「騒ぐなよ!マジックミラーだと気付かれるぞ?」
ジタバタ暴れるソウに小声で言う。
「あっ……」
その言葉にソウは我に返ったのか大人しくなる。
荒ぶるエロ神様を押さえた瞬間だ。
窓の向こうの仁が下着をずらし、陰毛が見えた瞬間、俺はカーテンを閉めた。
「はい、終了!!」
「はあ?お前、ふざけんな!!仁くんのチンコ見れないだろがあ!」
エロ神様がまた荒ぶり出した。
「見せるわけねーだろーが!仁は俺のでチンコも穴も俺のだ」
「見せろよ!金請求するぞ!」
出たな金ゴンめ!!
ほんの一瞬ならいいか……。
俺はカーテンをチラリとめくった。
風呂場の仁はとっくにバスタブに浸かっていたので終了となる。
「ああ!!お風呂浸かる仁くんもかわゆす!!お湯になりたい!仁くんを温めてあげたいよ」
ソウはチンコ見れなくても良かったみたいでウットリとした顔で見つめている。
「仁の着替え、持ってこいよ」
「えっ?」
仁から目を離さずに返事をするソウ。
「新しい下着と服!着替えないと可哀想だろ?」
俺の言葉にソウは「あ!!そうか!確かに」と納得して、いそいそと部屋を出て行った。
邪魔者は消えた……!!!
ふふふ、外に出されたとも知らずにアホめ。
今から俺はお風呂場エッチに勤しむのじゃあ!!
ソウが出て行った後に俺は風呂場のドアを開けた。
「わあ!ハルさん」
驚いたように俺を見る仁。
「一緒入るぞ」
俺はパパッと服を脱ぎ全裸になる。
マジックミラーには逞しい俺の肉体美が映る。
鏡見せながらセックスいいよな、テンション上がるし。
俺はバスタブにザブンと入り、仁の身体を引き寄せた。
「ハ、ハルさん!ダメですよお兄さんが」
「ソウなら居ないぜ?」
「えっ?」
「用事があるって……だから気にするな」
引き寄せた仁の身体を少し浮かせて俺の太ももの上に座らせた。
「広い風呂っていいな」
抱っこしながら後ろから囁くと「はい」と素直な返事。
さっきまで泣いていたから心配したけれどな、仁はやっぱり笑顔が可愛い。
「仁、好きだ」
耳元で囁いた。
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