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第7話

「ダメなものはダメ」 野郎が居たら女の子連れ込めないだろうがあ! 「仁、アンタ今、女の子連れ込めないとか考えてる?」 美沙の冷めたような目つき。 ギクッとくるよ美沙め! 「ソンナコトオモッテナイヨ」 ちょっと目をそらす。 「分かりました」 ケイ少年は諦めたようなセリフを吐いたので俺はニヤリと笑いたいのを我慢する。 「僕、警察に行きます、この人にレイプされたって」 そして、次の瞬間奈落の底に突き落とされたような気分にされた。 「はい?」 「手首の跡と…僕の身体の中にある精液調べたらアナタ性犯罪者になりますよ」 さっきまで怖ず怖ずと話してたくせに何だよ、名探偵コナンが真犯人突き止めた時の謎解きみたいに俺を指差しやがって。 「精液?」 美沙は変な言葉に反応しまくるから困ったもんだ。 「昨日散々中だしされましたから」 「嘘、見せて」 ガツンッ ケイ少年のお尻を見ようとする美沙をためらいなくゲンコツする。 「痛い!」 睨みつける美沙からケイ少年を引き離す。 絶対にシーツをはがす気だろうと俺はケイ少年をひょいと肩に担ぎ風呂場に逃げ込んだ。 ドンドンドンッ!!! ドアを激しく叩く音。やめろ、壊れる!! 「開けなさいよ!つーか、風呂場で犯すならまぜなさいよ私も」 何言い出すんだ美沙は! 「ちげーよ、身体洗うんだよ」 そう…俺の精液を洗い出してやるんだーっ! 性犯罪者にはなりたくない! 俺はケイ少年をその場に降ろして、 「身体洗ってやるからシーツ取るからな」 とまとっているシーツを引っ張る。 「やだ!精液隠滅する気でしょ?」 ケイ少年は抵抗する。 そりゃあ証拠隠滅したいさ。 「うるせえ、黙って壁に手をつけ」 180ある俺に対してケイ少年は170あるかないかの小柄で華奢な体格、もちろん俺の力に適うわけもなく、ケイ少年は俺の手によりシーツを剥がされ壁に押し付けられた。 背中を向けたケイ少年は妙に色っぽい。 後ろ姿だけなら女性でも良いかも知れない。 薄い体毛、細い腰つき。 どうみても成人男性にはやはり見えない。 背中からお尻にかけてアチコチに目立つキスマーク。 俺… キス魔だからなあ。 やっぱ、ヤッたんかな?

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