12 / 326
2話
「買い物行ってくるわ」
美沙は唐突に言う。
「夕飯の買い出しか?」
「違うわよ、あんたとケイ少年が使う大人の玩具」
「要らんわボケッ」
この時の俺の突っ込みは史上最高の速さだったと思う。
「着替えとか要るでしょ?」
「あ~、それは要るな」
「でしょ?じゃあ行ってきます」
美沙はオッパイをユサユサ揺らしながらスキップして出て行った。
よくあんな細いヒールでスキップ出来るよなあ。なんて関心してしまう。
それよりも、俺は美沙が居なくなると直ぐにあるモノを捜し始めた。
テーブルの下やソファーの下。
出るわ出るわの盗聴器の山。
合計20個。
あのクソアマ、人の商売道具を勝手に!
もっとも盗聴器があるであろう場所に突入。
寝室だ。
捜してみると25個出てきた。
なんだよもう~
アイツ、マジ怖えーよ!
なんだか泣きたくなるよ俺。
「う~ん」
ケイ少年が寝返りをうつ。
俺に背を向ける感じになり、身体のラインについ目がいってしまう。
背中のキスマーク。
やっぱ俺だよなあ~!
リアルに話されたし。
それにケイ少年はかなり乱れて色っぽかったしさあ。
とりあえず散らばったケイ少年の服を拾う。
身分証明がないかをチェックしたが携帯さえもない。
今時、携帯持ってないのも変だよな。
しかも財布も持ってない。
何なんだよコイツ。
ベッドに背もたれて座ると、目線の先にDVDがあった。
やべえ、返さなきゃ!
と焦る俺はふと、起きたばかりのケイ少年が今と同じ場所を見ていた事を思い出した。
名前は?
で、視線がこれを見ていた。
ケイ。
エージェントKかよ!
DVDのタイトルはMIB。
トミーリージョーンズかよ、くそっ!
余計に怪しいぜ、このガキ。
しかし、追い出すと俺は性犯罪者。
ちょっと自分で調べてみますか。
ともだちにシェアしよう!