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石橋を叩いて渡る

「何かすみません僕のせいで余計なお金つかわせてしまって」 ケイ少年は車に乗り込むなり、俺に頭を下げた。 「いいよ。身体で払ってくれたら」 そう答えたのは俺ではない! 俺は断じて性欲そんなに強くもないし、変態でもない!…多分。 「佐伯さん止めて下さいそんな事言うのは!」 運転する佐伯さんを後ろから抗議する。 「お前の心の声だよ。どうせ、夜になればケイ少年抱くんだろ?」 「ちょ、しない!しないから!」 俺は佐伯さんとケイ少年に速攻で否定する。 「えっ、しないんですか?」 「えっ?して欲しいのか?!」 ガッカリした顔でなんて事を言うんだよ、ケイ少年!思わず突っ込みが早くなったじゃないか! 「…はい。」 顔を赤らめて返事返してんじゃねーぞケイ少年! ぜってぇ、俺からかわれている。 「よ、余所でそんな事言うなよ、世の中変態ばっかりなんだからな!現に佐伯さんも性欲バリバリで見境ないし」 俺はテンパっているのかな?自分でも何言っているか分からない。 「お前と一緒にすんなよ。変態はお前だ!こんな無垢な少年に変態行為したんだからな。」 「ちょ、待って!俺、マジで記憶ないんだって」 後部座席から身体を半分乗り出して佐伯さんに言い訳をする。 「酒のせいにすんな。お前欲求不満なんだろ?バツイチだし、恋人いないし、だから酒飲んだらエロ大魔王になるんだよ。普段から風俗とか言って抜いてれば良かったんじゃね?」 佐伯さんはそう言って俺のデコを指で弾いた。 「痛、」 結構痛いじゃないかよ! 俺は後部座席へと座り直す。 「風俗高いから無理」 俺は貧乏だからな。 「僕じゃダメですか?」 「は?」 何が? ケイ少年の言葉に俺はきょとん。 「上手くないですけど、仁さんに言われた通りにすれば気持ち良くなるんですよね?夕べ、言われた通りにフェラとかしたら3回目あたりから上手くなってきたなって、仁さんはご褒美だって僕をイカセてくれましたよ」 「うわあああ~、もう止めてくれえ」 ケイ少年の生々しいエロ行為話に俺は悲鳴を上げた。 「この変態」 佐伯さんから罵倒されて、俺は気絶したかった。

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