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第7話
ワアワア喚くでもなく、ただ、静かに泣く女性。
そんな静かに泣かれたら……、
俺の下半身が暴れてしまいそうになるではないか!
美沙が野獣だったせいか大人しい女性が気になって仕方ないのだ。
人妻とはいえ、まだ28歳。
地味だけど顔立ちは悪くないし、結構スタイルが良いし。
ちょっと触りたい気持ちを押さえ、美沙が凄く羨ましく思えた。
「浮気するような最低な男、離婚しなさい。ガッポリと慰謝料ふんだくってさ。あ、キャバ嬢からも取れるわよ。あなたが傷つい代償は貰うべきよ、ねっ?」
美沙は彼女の頭を撫でながら言う。
くそう、いいなあ美沙。
「慰謝料…裁判しなきゃダメでしょ?私、弁護士雇うお金は」
「大丈夫!良い弁護士を紹介してあげるわよ」
美沙はニコッと微笑むと、
「ここからは私の仕事になるわね」
と美沙は俺を見た。
あああっーまた!
実は美沙…ただの変態じゃなかったのだ。
「私、弁護士の高木美沙です」
と女性にニッコリと微笑んだ。
「えっ?弁護士さんなんですか?」
女性は目をクリクリと大きくして驚いている。
「安心して、私は女性の味方だから、お金もこの探偵事務所に払うお金を回すから良いわよ」
「はあ?」
美沙の発言に俺の眉は八の字になる。
「あら?彼女が可哀相じゃないの?」
美沙に睨まれ、俺も睨み返す。
「それとこれとは別だから」
俺はたまにこうやって美沙の詐欺に遭っているのだ。
「一緒よ!仁のお金は私のモノ、私のお金は私のものだから」
「お前はジャイア〇か!」
ドヤ顔の美沙にすぐさま突っ込みをつい、入れてしまう。
「とにかくアンタ達出て!今から女同士の話があるから」
ジャイア〇な美沙は俺達を部屋から追い出したのだ。
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