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第15話
俺は昔っから用心深い所があった。
うかつ。
漢字が思い付かないが、迂闊に手を出さない。
それが俺。
石橋を叩いても橋を渡れないくらいだったのに、
酒が入ると俺が俺じゃなくなる。
だって、血だらけだったり(ボコッた相手の血)
朝起きたら結婚していたり。(美沙)
朝起きたら離婚していたり。(美沙)
そして、つい今朝だっただろ?
美少年をお持ち帰りして犯した。
……………で、
またやったよ、記憶ねーしっっ!
ママんとこで酒飲んだ後の記憶がない。
ただ、
今は夜中で、ベッドで俺は真っ裸。
そして、
また…………
ケイが真っ裸で横に。
ベッドには美沙が買ってきた大人の玩具が散乱し、使った後がある。
ケイは真っ裸だけど首輪だけは付けて、しかもベッドに縛り付けられてるじゃーん!
俺、何したんだよ!
ケイは疲れたように眠っている。
あ、手は解こう。
俺はケイの手の縄をほどく。
「ん……、仁さ…んもっとお」
寝ぼけているのか起きているのかケイはそんな事言いながら俺に抱き付いてくる。
「け、ケイ離れろ」
俺はケイをひっぺがす。
「どおして?さっきまで、凄く気持ち良くしてくれたのに」
ケイはトロンとした目で俺を見る。
やっぱ、ヤッたのか俺!
確かにイカくせえ。
汗と、俺の精子だよな?ケイはベトベトだ。
「ふ、風呂入ろう」
俺は逃げるように風呂へと行くのだった。
ああ、
石橋を叩いて渡る俺、どこに行ったんだーっ!
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