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第4話
そして、またマブタを閉じるケイ。
だーかーらー何で目閉じるんだよおっ~!
俺を試してんのか?
「こら、何、目閉じてんだよ」
思わずそう言って誤魔化す。
「…キス、してくれないんですか?」
目をウルウル、小型犬みたいな感じで俺を見やがって!
「何でキスするんだよ?」
そうだよ、何でキス……すんだよ?
「して欲しいからです」
うっ、そう来たか!
「ダメですか?」
うっ、またウルウルしやがって!
「したいのか?」
何言ってんだよ俺!
照れたように頷くケイ。
アアッーもう!毎回毎回、刺激してきやがって!
チュッ、
とりあえずオデコにキスした。
キスはキスだしな。
「オデコじゃなくて…唇です」
ケイは大人しそうなのに、こんな時は本当に大胆だ。
「じゃ、ケイからしろよ。して欲しいんだろ?」
そして俺はまた、らしくない事を口にする。
まだ酔ってんのかな?
ケイは俺がそう言うと顔を上げて近づいてくる。
思わず、目を瞑った。
柔らかくて温かい感触。
そうだ、昨日もケイとキスした……。
迷う事なんてないよな。
くっつくだけの唇。
その口内へ舌を侵入させる。
「んっ…」
漏れる声。
やっぱ可愛い!
ケイもぎこちなく舌を絡めてくる。
慣れてないって感じが俺を興奮させて、刺激してくるんだ。
くちゅ、くちゅっと絡み合う唾液と舌の音が浴室の中響く。
そして、唇を離すと、
「…や、もっと」
ケイが俺を誘う。
くそう!ガキのくせに色っぽい顔すんじゃねーよ!
「おわずけ」
わざと意地悪言うと、
「いじわる」
可愛く拗ねるケイ。
そんな可愛いから苛めたくなるんだぞ!
なんて思いながら、またキスをする。
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