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第5話
キスってこんな気持ち良かったっけ?
ケイとのキスだからじゃないよね?
唇を離す。
もっと……、とケイにお願いされてキスを繰り返し、
そろそろのぼせるだろーっ!と風呂を出る。
「もうちょっとキスしたかったです」
ケイは俺に髪を拭かれながら不満そうに言う。
「のぼせるだろ?それにもう深夜だし、寝なきゃ」
俺は小さい子供を扱うようにケイを諭す。
そして、ケイに着せた服はまたもや俺のシャツ!
しかも、間違ってデカいサイズを買ってしまったヤツ。
だから案の定、ブカブカ。
袖から指先しか出ないし、膝近くまで丈がある。
じっーとケイを見る!
小さい子が無理して大人の服を着ているように見えて、
ぐはっ!可愛い!
やっぱ、似合う!
そして、エロい。
女の子や美沙がシャツ一枚で居るより百万倍エロい!
「なんか、凄いブカブカです」
そう言ってニコッと笑うケイ。
ヤバい鼻血出そう。
それに俺のムスコちゃんが暴れ出しそうで怖い。
とりあえずケイを寝かしつけよう!
それから抜く方がいい。
いくらキスしたから…、
酔った俺がケイを抱いたからって、ちゃんと意識ある俺が彼を抱くのも何か嫌だ。
ケイが男の子だから?
女の子だったら抱いてる?
目の前のケイはブカブカなシャツを着た可愛い女の子にしか見えない。
でも、チンコついてるしなあ。
まだ抵抗がある。
だって、俺はノンケだ!
「おら、掴まれ」
ケイを運ぶ為にお姫様抱っこをする。
相変わらず軽いよなコイツ!
ぎゅっと俺の首筋にしがみつくのもムラムラきやがるし!
ポスンとベッドにケイを降ろすとスプリングが小さく弾む。
「はい。じゃあ、よい子は寝ましょう」
俺はケイの頭をポンと軽く叩くと部屋を出ようとする。
「どこ行くんですか?」
不安げに俺を見るケイ。
「うんこ」
その3文字の言葉にケイは声を上げて笑った。
まあ、うんこじゃねーけどな。
抜かないとムスコちゃんが暴れ出すからトイレ!
そう、俺は虚しくトイレで抜くはめになる。
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