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第8話
受け取ったケイは袋の中を見つめる。
「それで仁誘ったら?仁、好きなのよね。ニャンコ」
ニッコリ笑う美沙ちゃんがケイに渡したものは?
俺も袋の中を覗き、ソレを取り出した。
ネコ耳カチューシャ……、
それから鈴付きのリボンに尻尾に肉球付きのフワフワぬいぐるみ生地の手足。
「ね、つけてみよう!」
美沙ちゃんはケイにネコ耳カチューシャをつけ、あっという間に可愛いニャンコが出来上がった。
出来上がった可愛いニャンコは、
ヤバいくらいに可愛い!
大きな瞳をクリクリさせ、俺らを見る可愛いニャンコ。
「にゃんって言ってみて」
美沙ちゃんの要求通りにケイは、
「にゃん」
と言ってポーズを取る。
「可愛い!!」
俺と美沙ちゃんの声がハモった。
ヤバい!
食いたいーっ!
******
仁side
ママからの呼び出しにより俺はまたバーに来ている。
ぶっちゃけ記憶が飛んでいるから依頼をどうしたのか知らない俺。
「仁ちゃん、昨日は依頼受けてくれてありがとうね。」
ママはクネクネしながら俺にお礼を言う。
あーっ、
依頼受けたんだ俺……。
酔っ払った俺の馬鹿!
「今夜から自宅まで送ってくれるから安心だわ」
鼻歌混じりのママ。
俺、そんな事まで言ったのかいっ!
「ママ、帰るの何時?」
「やだあ、昨日も言ったでしょ?帰るのは3時だって」
3時かいっ!
今、昼過ぎ。
「出直すよ」
立ち上がる俺。
何時間拘束だよ?
「ちょっとお、昨日言ってくれたじゃない!買い出しとか店の準備中も守ってくれるって」
「はい?」
知らねえ、
ぶっちゃけ記憶無い。
「買い出し手伝ってね」
ママは冷蔵庫を見ながら買う物を書き出している。
あーっ!もう、俺は酒飲まないようにする!
そうしたら、ケイを無理やり抱かなくてすむ。
抱きたいわけじゃないよね?俺?
だよね?
って、誰に聞いてんだよ。
ケイ、ちゃんとよい子にしてるかな?
飯ちゃんと…
あっ、やば!
俺、ケイにご飯用意せずに来たじゃんか!馬鹿!
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