56 / 326

人を見たら泥棒と思え

******* 仁side  うーん……、  ケツがイテェ、  ゴロンと寝返り打って、 あれ?って違和感を覚えた。  何で寝返りうってんの? 俺、何してたっけ?  身体に纏わりつくシーツの肌触りが気持ち良いし。  えっ?シーツ?  俺は目を開けた。 「あれ?起きた?」 俺を覗き込む佐伯さん。 えっ?何で佐伯さん?  俺の部屋?  キョロキョロと周りを見て、自分の部屋じゃない事に気付いた。  ここ、どこだよ? 起き上がろとして下半身に痛みが、  「っ…」 「いきなり起き上がるなよ、悪いな、お前痛がってたのに激しくしてさ」 「はっ?何?なんのはな………し?!£#◎◆」 シーツを捲って俺は目がギューンと出たんじゃないかってくらいに驚いて言葉がおかしくなった。 真っ裸!  真っ裸やないかーい!  俺、裸族だっけ?  「もしかして……お前覚えてねーの?」 佐伯さんが俺の横に座るからベッドが少しへこんだ。  「な、なに?何を?」 聞き返す俺は嫌な予感がした。  「お前のヴァージン頂いたんだけど?」 「はああああぁぁっ?」 俺は死ぬ程びっくりした。  ば、ば、ヴァージン?  Like A Virgin~♪  頭でマドンナが踊り出す。  「お前、めっちゃ可愛かったぜ。まじ覚えてねーの?」 はああああ?  知らねえ!まじ知らねえ!  俺は首をブンブン振る。 「どこまで覚えてる?俺からトイレで手コキされたのは?」 手コキ?  手コキ…………俺は考えてみた。  「あっ……いく」 俺が発した言葉がいきなり脳裏に過ぎった。  そうだ、俺……佐伯さんにトイレで、  「思い出した?」 俺は頷く。  「佐伯さん、俺に何したんですかーっ」 手コキされて、キスしたような。  ああああっー俺、酔ってもいないのに男に手コキとか!  「だからセックスしたって言っただろ?」 「ああああっーやめてやめて聞きたくない」 俺は耳を塞ぐ。  ふっ、  後ろの首筋に息を吹きかけられた。  「◎#※◆★」 声にならなかった。

ともだちにシェアしよう!