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人を見たら泥棒と思え
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仁side
うーん……、
ケツがイテェ、
ゴロンと寝返り打って、
あれ?って違和感を覚えた。
何で寝返りうってんの?
俺、何してたっけ?
身体に纏わりつくシーツの肌触りが気持ち良いし。
えっ?シーツ?
俺は目を開けた。
「あれ?起きた?」
俺を覗き込む佐伯さん。
えっ?何で佐伯さん?
俺の部屋?
キョロキョロと周りを見て、自分の部屋じゃない事に気付いた。
ここ、どこだよ?
起き上がろとして下半身に痛みが、
「っ…」
「いきなり起き上がるなよ、悪いな、お前痛がってたのに激しくしてさ」
「はっ?何?なんのはな………し?!£#◎◆」
シーツを捲って俺は目がギューンと出たんじゃないかってくらいに驚いて言葉がおかしくなった。
真っ裸!
真っ裸やないかーい!
俺、裸族だっけ?
「もしかして……お前覚えてねーの?」
佐伯さんが俺の横に座るからベッドが少しへこんだ。
「な、なに?何を?」
聞き返す俺は嫌な予感がした。
「お前のヴァージン頂いたんだけど?」
「はああああぁぁっ?」
俺は死ぬ程びっくりした。
ば、ば、ヴァージン?
Like A Virgin~♪
頭でマドンナが踊り出す。
「お前、めっちゃ可愛かったぜ。まじ覚えてねーの?」
はああああ?
知らねえ!まじ知らねえ!
俺は首をブンブン振る。
「どこまで覚えてる?俺からトイレで手コキされたのは?」
手コキ?
手コキ…………俺は考えてみた。
「あっ……いく」
俺が発した言葉がいきなり脳裏に過ぎった。
そうだ、俺……佐伯さんにトイレで、
「思い出した?」
俺は頷く。
「佐伯さん、俺に何したんですかーっ」
手コキされて、キスしたような。
ああああっー俺、酔ってもいないのに男に手コキとか!
「だからセックスしたって言っただろ?」
「ああああっーやめてやめて聞きたくない」
俺は耳を塞ぐ。
ふっ、
後ろの首筋に息を吹きかけられた。
「◎#※◆★」
声にならなかった。
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