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人を見たら泥棒と思え7
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仁side
「仁、起きろ!信長から戻って来いって怒り電話来てんぞ」
ぺちぺちとホッペタ叩かれて目を開けた。
佐伯さん………………………?
俺、風呂で……どうしたっけ?
風呂だった場所が寝室に変わってる?
「何時?」
「4時前かな?」
「はあ?何で?」
佐伯さんの返事に俺は驚き起き上がる。
ケツに違和感。
ケツ…………………………ああああっー!
「ささささ佐伯さん俺、俺の処女」
そうだ!俺、佐伯さんとヤッて…。
「ごちそうさまでした。美味かったぜ」
「ケロッとした顔で言わないで下さい!俺の処女奪っておいて」
「お前もケイの処女奪ったくせに」
「ぎゃー言わないで!」
俺は耳を塞ぐ。
「まあ、とにかく信長んとこ送ってやるから」
佐伯さんは車のキーを俺に見せる。
あー、忘れてた。
ベッドを降りる俺。
あれ?服着てる?
「服貸してやったぜ」
佐伯さんの服かあ~
って、
「着せたの佐伯さん?」
ひゃあ~恥ずかしい。
「何照れてんだよ、こっちは真っ昼間にお前とセックスしてんだぜ?身体中見てない場所ねーよ」
いやぁぁーっ!
俺は恥ずかしさで今なら死ねると思った。
「ムスコちゃんにホクロあるだろ?あと足の付け根。それと背中」
「やめてやめて」
耳塞ぐ俺に佐伯さんはエロい言葉を投げつけてくる。
くそーっ!こんな、こんな下半身でモノ考えているようなオッサンに処女奪われたなんて!
「うう、もうお嫁いけない」
俺はフラフラと歩き出す。
「俺がもらってやるから心配すんな」
佐伯さんはまた俺をお姫様抱っこした。
「やだ!悪魔の花嫁なんかになるか!」
俺の雄叫びが響く。
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「やだあ、はる坊まで何でくんのよ!」
ママは佐伯さんを見て嫌そうな顔をしている。
佐伯さんに連れられバーに戻った俺。
「仁、ちょっと腰痛めてるから連れてきたんだよ」
「腰?…………まさか子猫って人型?私をほったらかしてニャンニャンゴロゴロしてたの?」
鋭いですママ!
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