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鬼が出るか蛇が出るか。 24話

仁side ……全く記憶がないんだよねえ。年か? 俺はシーツの中でゴソゴソと下着を穿いている。 ここに来た記憶も寝てたから知らないし、風呂場でも寝たらしい。 どんだけ俺は寝ているんだよ。 下着は穿いた。これでよし!パンツはモラルだからな。 シーツから顔をだすと2人が俺をじっーと見ていた。 「うわっ!」 思わず悲鳴が出る。 「本当に穿いたのか裸で良かったのに」 ハルさんは残念そう。 「仁くん、下着どんな感じ?ちょうどいい?」 お兄さんはサイズの心配か…… 今の所、お兄さんが俺にはモラルある大人に思える。これは普通の対応だよな。 ハルさんってば俺を裸にしたがるからな……。 それを嫌じゃないと思う俺も大概変態だけど。 「ちょうど良いです」 「良かった……お腹減ってない?」 ニコッと優しく微笑むお兄さん……優しいなあ。 「減ってます」 何故かお腹がペコペコなのだ。体力使った後みたいに。 「テーブルにあるよ」 そう言われてベッドから降りようとして下着1枚なのもなんか、嫌なので「服ください」とお願いをする。 「えー、いいじゃん着なくても」 またハルさんは……!! 「服あるよ」 お兄さんはシャツをくれた。 シャツのみ!! 「あの、下は?」 「あれ?待ってて」 お兄さんは袋の中をゴソゴソ探して「下ない……ごめんね。入れ忘れだな」と謝る。 えっ……まじすか!! でも、着ないよりマシだからシャツを着る。 ブカブカな感じ……下着はちょうど良かったのにどうしてシャツだけはブカブカなのだろう? まるで彼シャツっぽい。ハルさんのを着ると少しブカブカなんだよな……ハルさん胸筋凄いし二の腕も凄いから。 裾が太ももまでなので下着は隠れるけど、女の子みたいで嫌だなって感じ。 なんせ、俺は体毛薄いから……すね毛とか無いに等しい。 面白がってハルさんに良く剃られちゃうからツルツルなのだ。 「じ、仁くん可愛いよ!可愛い!」 お兄さんが何故か喜ぶ。 「わざとだろ?」 ハルさんがお兄さんを見る。 「わざと大きめのシャツだけ用意したろ?仁の可愛いこの姿が見たいから」 「ソンナコトナイヨ」 お兄さんはなんだか挙動不審な上にカタコト。 「まあ、可愛いから許す!」 ハルさんは俺にスマホを向ける。 「仁くーん可愛いよう!ちょっとポーズしてみて?」 ニヤニヤしながら言う。 「お腹空いてるんでしません!」 俺はテーブルの側のソファーに座る。 「太ももいいねえ……エロい。仁は色白いし太ももは女の子みたいにエロいし……いい感じ」 ハルさんは俺を撮りまくる。 「ちょ!!邪魔です!」 ハルさんを押し退け、食事をする。 「仁くん飲み物」 お兄さんは自然に俺に飲み物を渡してきた。 やはり、常識あるのはお兄さん。 ハルさん……変態なのが魅力だけど、こうやって普通の感じなのを受けるとちょっと時めくよな。 いや、お兄さんはお兄さんだからナイよ。 お兄さんを見るとハルさんに似ていてカッコイイ。 ガタイはハルさんが良いけど……。 誠実そうで……優しい。 俺はお兄さんに渡された飲み物を一気に飲む。 ちょっと、ときめいてしまったから照れ隠し。 ハルさんにときめいたとか知れると怒る。 怒って……お仕置きとかされちゃう。 お仕置き……くっ……されたいかも。 そう考えて自分が変態だと気付く。 そして、飲んだ後に飲み物がアルコールだと気付く。

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