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鬼が出るか蛇が出るか 25話
やばば!と思ったけれど飲んでしまった俺。
禁酒してるつもりなのに何故か飲む羽目になるのはどうしてだろう?
「これ……お酒」
「うん、そうだよ」
お兄さんにお酒だと訴えたら笑顔でそうだよって言われた。
「お酒あった方が盛り上がるし、1度一緒に飲みたいって思ってたから」
ニコニコ顔のお兄さん。
「ソウ!てめー、酒飲ませてどうするつもりだよ」
ハルさんが何やら怒っている。……ハルさんはいつも俺の酒癖の悪さにやられているから。
「えー、いいじゃん!楽しい方が」
お兄さんは俺にググっと酒を進める。
「あの、俺……酒癖悪いからダメです」
「いいよ……知ってるから。それにここなら他の誰にも迷惑かからないでしょ?仁くん気にしてお酒飲まないみたいだけど、我慢するのは身体に毒だよ?」
ニコニコしてすすめてくる。
迷惑……かけちゃんじゃん!ハルさんにもお兄さんにも。
「ダメですよ」
「仁くん気にしないでほら!」
お兄さんは俺の口に酒の瓶の縁をつけると一気にきた!
喉がかぁーと熱くなった。
しかも、ゲホッとむせる。
「わあ!仁くん大丈夫?」
お兄さんが慌てて俺の背中をトントン叩こうとするがハルさんに突き飛ばされた。
「仁、大丈夫か?」
優しく背中を撫でてくれるハルさん。
ハルさんの手は……どうしてもイヤらしい気持ちになってしまう。
なに?パブロフの犬か?
ベルを鳴らすとヨダレ出るように触られるとエッチな気分になる……?
本当、俺ってハルさんに毒されている。
「顔赤いぞ……もう酔ったのか?」
心配そうに顔を覗き込んでくるハルさん。
ドアップ……つい、唇に視線が。
「仁?どうした?」
背中にあったハルさんの手が頬に。
あああ!!もう、身体が熱い……。これは酔っているからかな?
それともハルさんに反応しているせいかな?
「ハルさん……俺……」
「なに?どーした?」
顔がさらに近付いてくる。
「ちょっ!くっつきすぎ!」
お兄さんがハルさんを羽交い締めにして俺から離した。
「こら、離せよソウ!」
ジタバタ暴れるハルさんを見ながら俺は意識を飛ばした。
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