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人を見たら泥棒と思え9

「あ~まだ痛え」 「尻か?」 「ちげーし」 俺と佐伯さんは真面目に話を聞かなかったせいで(お前が怖いよも聞こえていた)ゲンコツを食らい外で見張るようにママに命令されたのだった。 よって、痛いのはケツじゃなくゲンコツされた頭。  店の裏口、ストーカーにバレないように影に隠れ座り込んで様子を見ているけど、 ひまーっ、ひまひまひま!  携帯没収されたし。  しかも何だか肌寒いし! くしゅん、  小さくくしゃみをする。 フワリと温かいモノが後ろから………… 「佐伯さん」 俺は迷惑そうに後ろを向く。  「寒いんだろ?」 「寒いですけど………………どうせなら上着だけかけて下さいよ」 「やだ、俺が寒いだろーが」 そう言って佐伯さんは背後から俺を包み込むみたいに座っている。  前抱っこ?  「なんか子泣き爺みたいですよ佐伯さん」 「うるせえ、あんま動くなせっかく温かくなってきたのに」 佐伯さんの腕は膝抱えて座る(体育座り)俺の腕の上自分の腕を重ねている。 佐伯さんの両足が俺の両サイドをガード、いや捕らえているのだ。  上着の中というか佐伯さんの腕の中に居る俺……………何やってんだ?野郎2人で。  「もう寒くないから離れて下さいよ」 「やーだね。俺が寒いの!人間カイロ」 佐伯さんはぎゅって力を入れてくる。  「寒くねーたら、寒くねえ……………………………くしゅん」 「説得力ねえなあ」 佐伯さんは笑いながら俺にくっついてくる。 「ひゃあっ」 俺が声上げたのは佐伯さんから耳を甘噛みされたからだ。  「ちょ、ふざけないで下さいよ」 抵抗しちゃる!  エロ代官にテゴメにされる!  「大人しくしろって、身体熱くしてやるから」  逃げれないように両腕クロスさせて俺をきつく抱き込む佐伯さん。  「ひゃあっやめっ」 耳たぶに舐められる卑猥な音が聞こえて、俺は俺で無くなるような気がしてきた。

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