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人を見たら泥棒と思え14

カチッと小さなプラスチックが跳ねるような音がして、 「ほら、入ったぞ」 と佐伯さんは起き上がり俺の頭をポンと軽く叩く。  そして、エンジンをかけて車を走らせる。 佐伯さんは何も気付いてないようでホッとした。 ちょっとムラムラした事。 だいたい佐伯さんが悪い!俺の身体を中途半端に弄って、放置!  放置っちゃ何ね?  ムスコちゃんがウズウズしちゃってる!  くそーくそー佐伯のばーかーばーかー!  ムラムラしたまま、アパートに着いてしまう。  「おやすみ」 佐伯さんはそう言って自分の部屋に。  あ~、もう!1人エッチして寝てやる。 部屋のドアを開けると電気つけっぱなし。  おいおい、ケイ、寝るなら電気消して………。 「仁さん!」 ケイが寝室からひょこひょこ足を引きずりながらこちらへ来た。  そして俺にぎゅっと抱き付いて、  「ごめんなさい」 とわんわん泣き出した。 はい?  何で泣いてる?  何で謝ってる?  ケイ、何か壊しでもしたか?  「ケイ、どうした?」 泣いてる肩を掴む。  ぎゅっと俺の背中まで手を回してグズグズ泣いていて、 「な?どうした?」 そう聞きながら、ハッとした。  「まさか美沙に性的虐待され」 バシン、  後頭部に衝撃。  「するか、アホ」 「美沙」 同人誌を丸めて手にした美沙が居た。  「じゃあ何で泣いてるんだよ」 「アンタが原因よ」 とビシッと同人誌で指された。  は?  「俺なんもしてない」 と、ヴァージン奪ったくせにしれっと答える。  「だからよ。アンタを猫耳カチューシャで誘ったけど逃げられて、戻って来ないからケイはアンタに嫌われたってずっと泣いてたのよ」 はい?  美沙の説明で泣いてる理由は分かったけどさ、  「ケイ、別に怒ってないぞ。怒って出て行ったんじゃなく仕事だよ、仕事」 そう言って頭を撫でると、  「本当ですかあ」 と泣きはらした瞳で俺を見上げた。  泣き顔萌えやん!  可愛いやん!  「ほ、本当だって」 やばい可愛すぎて頭がクラクラして来た。  「仁さん?」 「仁?」  2人の声が遠くに聞こえた。

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