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人を見たら泥棒と思え15

俺ってば床にへたり込んでるよ、おかしいなあ? 「仁さん大丈夫ですか?」 「ちょっと、ケイの泣き顔見てイッちゃったの?」 美沙、お前はそっちしか思考回路回らんのかい! 「やっぱ、そうなったか」 佐伯さんの声らしき幻聴がして、フワッと身体が浮いた。 「やーん、ハアハア来ちゃう」 美沙が興奮してるよ、何にだよ?  「美沙ちゃん、孫七ちゃん叩き起こして連れて来てよ、コイツ熱あっから」 佐伯さん、何言ってんのかなあ?  「分かった。でも、その前に写メさせて!仁をお姫様抱っこなんて佐伯さんにしか出来ないもんね」  そう言った美沙の後にカシャとシャッター音。  その後出ていく音。  「ケイ、ベッドに寝かせるからシーツめくれ」 その後にベッドに降ろされた。  佐伯さん、また俺にやらしい事しようとしてんな? その証拠に俺の上着脱がしてるし、  しかもシャツのボタン外してるし、  ぼんやりした視界にケイが居て、あっ、やべえケイが居んじゃん。 「や、らめ」 抵抗する為に伸ばした手をアッサリと押さえつけられて、  「あーもう、熱計るんだからいい子にしてろ」 ふえ?熱?  「熱なんてないもん」 「はいはい、黙ってろ」 腕を押さえ付けられて脇に何か押し込まれた。  その後に首筋とかに指当ててくるし、  やっぱ、  「この変態」 「何だとコラッ、お前が車ん中で触った時熱かったから、体温計と冷えピタ持って来てやったんだぞ」 なに?  サッサと帰ったのはそんな理由?  「ずっとくしゃみしてたしな」 佐伯さんの手はオデコにある。  「仁さーん大丈夫ですか?」 真横で泣きそうなケイ。 「大丈夫、孫七ちゃん呼んだし、ケイはもう寝ろ」 「嫌です。心配だから僕も起きてます」 うるうる瞳のケイ。  可愛いなあ。  うん?  いま、孫七ちゃんって? 「孫七ちゃん?なんで?」 「解熱剤とか点滴とかしてもらわなきゃ…………あ、お前39度あるぞ。ケツ注射だな」 はっ?  注射?  「ばか、佐伯のばか!俺大丈夫だし、孫七いらんっ」 俺は注射はきらいだーっ!  抵抗する俺は佐伯さんに押さえつけられた。

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