322 / 326
鬼が出るか蛇が出るか 28話
「お前、長男に対して!」
ソウが意味が分からない事で怒りだす。何だよ長男って……ほんの数時間だろーが!
「仁は俺のなんだよ!」
「お前のモノは俺のモノだ!だから、仁くんは俺のモノ!」
「ジャイア〇かお前は!!」
俺イライラしてソウの頭をベシッと叩く。
「お前!!お兄ちゃんにいいい!」
ソウは実は滅多に怒らない。俺が何言っても鼻で笑うというか相手にして来ない。それが鼻についたりする。
でも、今日のソウはやたらと反発してくる。反抗期かよ?
「たかだか数時間だろーが!」
「それでもお兄ちゃんだよ!」
ドーンと体当たりされて、俺はベッドから落ちる。
「さーて、仁くんお待たせ」
そんな声が床に転がる俺の耳に聞こえてきて、慌てて起き上がる。
ソウは仁を組み敷いていて、まさに挿入手前だった!
「こら!!」
体当たりしようとして、床に脱ぎ捨てられた服に足がもつれて、派手に転んだ。
痛いいいい!!
尻を打ち付けたので床でのたうち回っているとベッドがきしみだした。
「あんっ、あんっ、」
仁のアンアン声。
まさか!!俺は起き上がる。
そこには座るソウの背中とその腰を挟むように仁の白い両脚とソウにしがみつき座ったまま腰を動かす仁の姿。
……ええっ!!合体完了してる?
仁はソウにしがみついているから俺と目が合った。
「おっきいよお……ハルより……んんっ」
と潤んだ瞳で俺を見つめている。
嘘だろおおお!!!
俺は2人を引きはがす為にソウの身体を掴んだ。
「ソウ、てめー!!」
俺の仁にいいい!!!
「邪魔すんなよ、くそハル」
んん?
低い声で何かおっしゃいましたか?
「仁?」
「折角可愛く誘ってやっても兄弟喧嘩か?お前らって本当、アホ!」
「痛い!痛いよ!仁くん!」
ソウが顔をしかめている。
あれ?合体してるんじゃあ?
俺は2人の股間を……いや、ソウの股間を見る。
仁の尻に敷かれて潰されそうだった。
しかも、力いれて尻でぐりぐりしている。まるでペースト状にでもするかのように。
「痛いよおお!!だめええ!」
ソウが痛がるから仁を引き離した。
「お前、ドMだから気持ちいいんじゃねーの?」
ニヤニヤする仁。
「んん?仁くん……あれ?エロ可愛い仁くんどこいった?」
俺はニヤニヤする仁を見つめる。あれ?さっきまで確かに……
「たまには可愛く誘ってやろーかな?って思ってさ、兄弟揃ってガッツいてくるんだもんなあ、笑える」
この横暴な態度……酔ったドS仁様だ。
「……お芝居してました?」
つい、敬語。
「ひっかかりやすいよな、お前、詐欺に遭うんじゃね?」
クスクス笑う仁。
そーか、コイツ……酔ってたのに人芝居していたのかあ!!
だよなあ!アナニーとか普通やってくんないもんなあ!
すっかり騙されたよドS仁に。
ともだちにシェアしよう!