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鬼に金棒 4話

「禁酒反対ーっ」 美沙と佐伯さんが拳を上げて猛反対する。 「ケイだって反対するぜ、純真無垢なルックスのくせにエロい。お前にもっと激しくしてとおねだりしてたからな」 「そーだ、そーだ!」 美沙が野次を飛ばす。 もうぅ! 「うるさーい!禁酒はします!はい、もうミンナ出て!」 俺が面倒くさがりながら2人を追い出そうとすると、携帯が鳴り響く。 「もしもーし」 電話に出たのは俺じゃなく佐伯さん。 「ちょ、返してくださいよ」 文句を言う俺の頭を押さえながら、 「だって付き合ってるからねえ。うん、もうヤッたぜ。そりゃあ可愛く鳴いてさあ。あ、勿論、俺が入れて仁がアンアン言ってる」 と佐伯さんは誰かに言っている。 「ちょー誰?誰にそんな事言ってんだよおっー」 慌てる俺に渡された携帯。 「ちょっと、そんなの信じないわよ!仁は私が狙ってたのよ!」 つんざくようなママの声。 あああっ、面倒くさいのにバレた。 ******* 俺と佐伯さんはママに呼びつけられ、店の奥に正座させられ中。 腕を組み仁王立ちのママ。 その後ろで店で働くママの手下の方々も何故か泣いてる。 「ね、なんで泣いてるんだよ?ショッカー軍団」 ヒソヒソ声で佐伯さんに聞く。 「お前、人気あんだぜ?知らねーの?」 知らない知らないと首を振る。 「ちょっと、私の目の前でいちゃつかないで!」 ママはいちゃついていると誤解して怒っていて、なんだか理不尽。 「本当にヤッたの?」 「ヤッたって、もうここんとこ毎日」 答えたのは佐伯さんで俺ではない。 「毎日?はあ?毎日って?」 俺は佐伯さんの言葉に耳を疑う。 「お前気持ち良くなったら別人になって、記憶飛ぶもんなあ。昨日もヤッたぜ?すんげえ可愛かったぜえ」 「ちょ、何ですかソレ?俺が熱出して寝込んでんのに夜這いしたんですか?」 「だってお前可愛いんだもんよー!仕方なくね?」 「全然、仕方なくなんかないです!」 「だから今夜もなっ?やろーぜ?めちゃめちゃ気持ち良くしてやっから」 佐伯さんは俺の腰に手を回す。 「ちょ、やめ」 「てめーらいい加減にしやがれ!」 ママの雄叫びが響く。 「イチャイチャイチャイチャしやがって、あっ?舐めてんのかゴラッ」 ママは元自衛官…鬼教官だよー怖いよーっ! 凄まれて俺と佐伯さんは小さくなる。 「ようするに仁はハル坊に抱かれたのを認めるのね?」 だ、抱かれ! ひゃーやめれー直球過ぎる! 「顔真っ赤にしちゃってぇぇ、仁っー」 詰め寄られる。 顔赤くしてるのかい?俺は? 胸ぐらを捕まれ‥苦しいっ、 「ま、ママ死ぬ、俺死ぬから」 胸ぐらを掴むママの逞しい腕を掴み、離そうと俺は必死になる。 「信長やめろ」 佐伯さんが助けに入って引き離してくれた。 はあ……っ、くるしかった。 「仁、大丈夫か?」 首を押さえる俺を佐伯さんは心配そうに覗き込む。 俺は頷く。 「こら信長、自分の腕力考えろよ。仁の首へし折る気か?」 注意する佐伯さんをママはキッ!と睨むと、 「ハル坊の馬鹿!仁を………アタシの仁によくもチンコ突っ込んでくれたわね!アタシだってずっと我慢してきたのよ!仁に突っ込む為にチンコ取らないで大事に取っておいたのにぃ!こんな事なら遠慮なんかしてないでガンガン突っ込めば良かったわあぁぁーっがおっーん」 イヤイヤイヤ、 チンコ、チンコ、言い過ぎだから! しかも、ねらわれてたんか俺! ママ、油断ならない! 怪獣みたいに泣いてるし! 「まさに突っ込み勝ちだな」 「てめえ、真顔で答えるな!」 佐伯さんの真顔やだ! 「ううっ、いずれは仁と結婚して養っちゃおうとか思ってたのよ。」 いやいや、遠慮したい。 ママ、泣き過ぎて化粧取れてて怖いよう。 「仁、なんでハル坊なのよ!なんでアタシじゃないのよ!」 うるうるした瞳で俺を見る。 「仕方ないさ、仁と俺は運命の赤い糸で結ばれているからな」 「そんな糸、今すぐ切ってやりたいわ!」 そんな会話を聞きながら、俺は2人と縁を切りたい!

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