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鬼に金棒 11話
「チュウとかすんなバカ、俺は怒ってんだからな」
もう、絶対に佐伯さんには……………。
「そっかそっか、怒ってんのか。ごめんごめん、ちょっと怖かったな」
佐伯さんはニコッと笑う。全然反省してない!
「ま、守るとか言うならこんな目遭わせんな!嫌だったんだぞ、ガキに身体好きにされて、ケツん中指突っ込まれるし、写メ撮られるし」
「仁、よしよし、怖かったな」
頭を撫でる佐伯さん。
そんな事しても、
笑顔見せても、
許してやんない………バカ佐伯。
チュッと目元にキスしてくる佐伯さん。
その後は額。
また、ほっぺ。
そして最後に唇にキスしてくる。
でも、舌は入れずに直ぐに離れた。
「俺の名前を呼べば、それだけで鬼に金棒になれるぜ俺は」
「はっ?」
俺は佐伯さんの言葉にキョトン。
「元々強い俺は仁が名前呼んでくれたら凄く強くなる。仁も俺が居たら強くなってくれると嬉しい。俺を信じてくれたら嬉しい。」
「意味わかんねえ」
「まあ、あれだ仁が好きだって事だ。」
「俺、ノンケだってーの」
「いんや、お前はバイだよ。ケイを抱くだろ?」
「覚えてないって」
「俺には抱かれてるし」
「だから、それも……んっ」
覚えてないって言う前にキスされた。
しかも舌が入れられて……………不思議だ。
嫌じゃない。
さっきの真世に無理やりされた時は嫌で嫌で、
でも、
気持ち………………………いい。
キスが気持ちいい。
しばらくすると唇が離れた。
「仁、トロンとした顔可愛い」
ほっぺにチュッ。
「か、可愛いとかバカ佐伯」
くそくそ!変な顔見られた。
「あの~いい加減にして欲しいんですけど?」
真世の声。
あっ、忘れてた。
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