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両手に花 3話
「お前を好きじゃなきゃ無防備にそんな写メや言う事聞いたりしないよ。仁ぐらいだろ?無理やりに犯そうとしたのは」
その言葉に真世は頷く。
「後は親子で話し合え、じゃあ、帰るから」
佐伯さんはそう言って俺をお姫様抱っこしたまま部屋を出た。
これで一応解決。
んっ?待てよ?
「ねえ、佐伯さん薬飲んでないなら早く助けられたよね?」
エレベーターの中、佐伯さんに話掛ける。
「そうだな」
ニコッと笑う。
いやいやいや、笑うトコじゃないし!
「ちょっと、何でもっと早く助けてくれなかったんですか!」
俺は怒り出す。
真世に好きにされる前に何でもっと早く。
「お前がなかなか俺を呼んでくれないから」
「はい?」
何すか、その解答?
「ヒーローはギリギリにしか来ないんだよ。その方が印象に残るし」
「ちょ、待って下さい!黙って見てたんですか!全部!俺の嫁とか言いながら好き勝手にさせちゃって何すか!もうバカ佐伯!」
俺が怒鳴った時に地下駐車場に着き、
「はいはい、もうちょっと良い子にしてようね。車につくから」
佐伯さんは話をはぐらかす。
車に着き、何故か後部座席に俺は寝かせられた。
「さて、車についたから文句聞いてやる」
そう言いながら佐伯さんは後部座席の背もたれを倒した。
ボックスタイプだから後ろが広くて、いつだったか、カーセックスする為に選んだ車だって言ってたな。
あれ?何で倒すの?
何で運転席に直ぐに行かないの?
そして、何で…俺の上に覆い被さって、キス………………してんだよ佐伯さん!
んっ……んんっ、
佐伯さんの舌が口内で動いて、俺の耳に粘着質っぽい音が届いてくる。
何で、俺………キスされて黙ってんの?
抵抗………、そっか、身体動かないからかあ。
別に望んでる訳じゃないよね?
逃げれないから仕方なくだよね?
くちゅっ、と音がして唇が離れた。
「真世にキスされてたからな」
佐伯さんはそう言って俺を見下ろす。
「何、勝手にキスしてんだよ」
俺を見下ろす佐伯さんを睨む。
「したいからに決まってんだろ?ずっとムラムラしてたんだよ。俺以外にやらしい顔して、チンコ起てやがって…おしおきだべえ」
ドクロベエ様みたいな言い方して、佐伯さんはまた俺にキスをしてくる。
やだやだやだ、バカ佐伯!俺以外って……助けるの遅かったくせに!おしおきとか意味わかんねえ!
くちゅっ、くちゅっ、
佐伯さんの舌が絡む音、息が出来ないくらいに佐伯さんはキスをしてくる。
漸く離れた唇。
「仁、俺がいいって言ったよな?嬉しかった」
そう言って佐伯さんは俺の頭を撫で、頬やオデコに何度となくキスを落とす。
「あれは……なりゆき」
違うと否定したい。でも、あの瞬間は佐伯さんを選んでしまった。
「素直じゃねーな。俺に抱かれてる仁はすげえ素直で可愛いのに」
「だ、だからソレは覚えてないって」
記憶にない事を言われても、どう反応して良いか分からない。
「入れられる感触も?」
「ちょ、真顔でそんな事聞かないでくださいよ!」
生々しいじゃないか!
「答えろよ」
佐伯さんの真顔は何故か照れる。あまり見たことないし、普段アホ面だから。
「お、覚えてないです!」
真顔でガン見とか恥ずかしいから、つい横を向く。
横を向いた首筋をペロリと舐められた。
「ちょ、佐伯さん」
佐伯さんは首筋を舐めた後、俺をうつ伏せにする。
そしてシーツをはぎ取られた。
「さ、佐伯さん何するんですか?」
うつ伏せにされた俺の尻に指先の感触。
割れ目を広げる指先。
「佐伯さん待って、やだ」
何をされるのか想像つく俺は佐伯さんの名前を呼ぶ。
でも、生暖かい息が尻にかかり、その後にヌチャっと生暖かい舌の感触。
ペロペロと舐められる俺のアナル。
「や、やだっ」
舌は生き物のように同じ場所を舐めている。
漸く、舌が離れた後に佐伯さんが俺に覆い被さってきた。
「仁、もう入れるから」
耳元で囁かれた言葉。
「だ、だめ!無理!」
そう断るけど、佐伯さんが自分のムスコをあてがうのが分かった。
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