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宵越しの金は持たぬ

******* 仁side うーーん。温かい。 俺は湯たんぽみたいに温かい物体に抱き付く。 うん?抱き付く? 湯たんぽにしてはデカいよなあ。 うっすらと目を開けて見る。 佐伯さんのドアップがいきなり目に飛び込んで来て俺は慌てて起き上がった。 ズキンッ、 こ、腰と尻が……………。 起きた拍子にチクチクと痛む。 佐伯さんは爆睡中。 素っ裸……もちろん俺も。 ああっ、佐伯さんとヤッちゃったもんなあ。 記憶がバッチリあって、 もっかい入れて、とか、ここ弄って、とか……………。 ぐはっ、思い出しただけで顔から火が出るよ! と、とりあえず服着よう!うんっ、真っ裸はダメ、絶対! 佐伯さんを起こさないように、ベッドを降りる。 がっ、 カクンと身体が落ちた。 ち、力入らない! 膝がガクガク。 その場にへたり込んでいても仕方ないので四つん這いで服がある場所までゴソゴソと……… 「いい眺めだなあ仁。誘ってんの?」 真後ろから佐伯さんの声。 驚いて振り向くと、ニヤニヤして俺を見ている佐伯さん。 「可愛いお尻が見えてるぞ」 はっ、確かに! 俺は佐伯さんに尻を向けて四つん這いになってるから。 慌てて座る。 「何やってんだよ」 「あ、いや、服を」 佐伯さんを直視出来ず俺はしどろもどろ。 思いっきり挙動不審な俺。 佐伯さんはベッドを降りると俺の側に来て目線に合わせるようにしゃがみ込む。 「夕べの事、覚えてるみたいだな」 そう言って頭に手をポンと乗せる。 じっと俺を見る佐伯さん。 ううっ、恥ずかしい。 つい、視線をそらして俯いた。 そんな俺を佐伯さんはぎゅっと抱き寄せ。 「俺と寝た事、後悔させないくらい大事にすっから」 耳元で囁かれた。 うわっ、やばいやばい! 顔が赤くなる。 佐伯さんは俺のオデコに軽くキスしてきた。 ど、どうしよう? 何か言わないとダメだよな? でも、恥ずかしくて顔上げれない。 俯く俺の顎にスッと手が伸びてきて顔を上げられ、チュッとキスされた。 うひゃあ、佐伯さん………! 「仁、震えて可愛い」 そう言ってもう一度キスされた。 何?このラブラブムード? 美沙が読んでるBL漫画みてえ。 チュッ、チュッと軽いキスを数回されて、ヌルッと舌が挿ってきた。 力が抜けるくらいに気持ちいいキス。 つい、俺も佐伯さんの首筋に両手を回した。 何度も角度を変えてキスをされる。 ふいに唇が離れ、 「トロンとした顔、可愛い。」 と言われた。 そんな顔してんの俺? 「じゃあ、風呂一緒入ろうか?」 頭撫で撫で、好きかも。 ひょいと抱き上げられて、お風呂場へ。 シャワーを浴びながらもキス。 俺、何で抵抗しないんだろ? 佐伯さんにされるがまま。 首筋や腕や胸。 背中や太もも。 お尻………ありとあらゆる場所にキスマークをつけられていくのに、文句も言わない。 湯船の中、佐伯さんに抱っこされて入浴。 「なあ、俺の事、佐伯さんじゃなく、ハルって呼べよ」 「えっ?でも、佐伯さん年上だし」 戸惑う俺。 「ハルさんでもいい」 そう言って佐伯さんは俺を後ろからぎゅっと抱きしめてきた。 そして耳たぶをカプンと甘噛みされる。 「ひゃあっ」 耳たぶ、耳たぶはヤバい! しかも乳首までコリコリしてきたし! 「ハルさんって呼んでよ仁」 耳を舐められる。 「ひゃあぁぁっん」 力抜ける。 「ハルさんだよ。ほら、言ってみ?」 「…………は、る……さん」 ううっ、耳たぶ弱いのにぃ。 「もう一回」 耳たぶをガジガジ。 「ハルさん………んっ」 やばい、息が乱れる。 「もう一回」 「ハルさん」 名前を呼ぶと、 「良く出来ました」 とホッペにチュウされた。 恥ずかしいじゃんかバカ! しばらくイチャイチャして風呂から出た。 俺は佐伯さん……いや、ハルさんに服を着せて貰って、まさにお姫様扱い。 自分の部屋に戻ると、 「仁さん」 とケイが抱きついて来た。 「おかえり仁」 美沙は俺を見てニヤニヤ。 なんか怖い。 「仁さん、ご飯は?」 「あっ、ハルさんと食べてきた」 「ハルさん?」 聞き慣れない名前にケイはキョトン。 「あ、佐伯さん」 と言い直した。

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