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弱り目に祟り目 2話
知っているのは手の感触と舌触り。
ディープキスも上手くて、フェラも最高。
男とヤルなんて人生で無いと思っていたのに。
ハルが男と寝る気持ちが分からなかった。
俺は女の子が好き。
やわらかくて、 良い匂いがして、 可愛い喘ぎ声で、 挿れた時の気持ち良さとか、もう最高だよ。
でも、あの男はどんな女の子とも違って、最高だった。
後ろに男のチンコ挿れられた瞬間、快楽が身体中を支配して、もう真っ白になったんだ。
会いたい。
もう一度、抱いて貰いたい。
********
仁side
ハルさんのお兄さんは、細身で文系な感じがした。
ハルさんはマッチョの体育会系。
しかも、俺の喘ぎ声聞いてたなんてさあ。
ハルさんめ!
ガバガバ飲むソウさん。
何度もハルさんが酒を飲むのを止めている。
まあ、案の定つぶれちゃったけどね。
「だから言ったのに」
眠ってしまったソウさんのポケットから財布を出してお会計をするハルさん。
それが終わるとソウさんを背負ったハルさんと一緒に店を出た。
「悪いな仁、付き合わせてさ」
「ううん。まあ………………なんか、う、嬉しかったし」
「なにが?」
「その、えっと、……お兄さんに俺を恋人ってちゃんと言ってくれたから」
ううっ、恥ずかしい!
でも、本当に嬉しかったんだ。
男同士だし、偏見とかあったりするしさ、なのにハルさんはいつも自然だ。
お兄さんのソウさんも変な目で見ない。
「仁、こっち向け」
ハルさんに言われて振り向くと、
チュッ、 と唇が重なる。
ひょえーっ!
道端!公共の場!
しかも、ソウさんを背負っているのに!
俺は直ぐに離れた。
「は、ハルさん!お兄さん居るんですよ」
「大丈夫、コイツは朝まで起きないんだよ」
「だ、だからって」
狼狽えてしまう。
「仕方ないじゃん、仁が可愛い事言うから。本当はそこの公園に連れ込んでバコバコやりたいのを我慢してんだからな」
そこの公園。
ケイを拾った公園。
ケイ、美沙が居るから良いけど、ちゃんとご飯食べたかなあ。
ケイは何か弟みたいで、ほっとけなくなってしまった。
抱いて………
足を広げてオナるケイの画像が頭を過ぎった。
ああっ、
もう!
俺にはハルさんが居るんだから!
ハルさんに視線を向けると目が合った。
恥ずかしくて、つい、目をそらす。
「仁、ちょっと待って」
ハルさんは背負ってたソウさんを降ろして肩に担ぎ直した。
そして、俺と手を繋ぐと歩き出す。
温かいハルさんの体温。
しかも指を絡める恋人繋ぎってやつだ。
うひゃあ、恥ずかしい!
手を繋いで歩くのはどれくらいぶりだろう?
「仁の手は温かいな。」
ハルさんは俺を見てニコッと笑う。
ううっ、ハルさん笑顔可愛い。
また恥ずかしくなって俯いてアパートまで帰った。
ハルさんの部屋の前に着いてしまい、手を離さないといけなくなったじゃないか!
離したくないなあ。
「仁、ポケットから部屋の鍵だして」
「えっ?」
「手を離したくないんだよ!」
その言葉に嬉しくなった。
同じ事を考えてくれてたなんて。
ポケットから鍵を出してドアを開けた。
手を繋いだまま、ドアにロックをして、靴を脱いで部屋へと上がる。
ソファーにソウさんを降ろして、もう片方の手も自由になったハルさんはその腕で俺を抱き込んだ。
そして髪にキス。
ああ、やっぱハルさんのキス好きだ。
手はまだ絡めたまま。
俺は顔を上げて、ハルさんを見た。
ニコッと笑うハルさんは、
「仁が欲しい」
と言って、そのままキスしてきた。
えっ?待って!
お兄さん居るのにぃ!
クチュッと舌が入ってきて、俺の舌に絡んでくる。
「んっ………」
思わず息が漏れた。
お兄さん居るのに、キス、ダメ絶対!
そう思っていてもハルさんのキスが気持ち良くてトロンとなっちゃう自分がいる。
やばい。
ムスコちゃん勃って来たし!
後ろも………………………、
やばいくらいにハルさんにむちゃくちゃされたい。
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