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「つまり、ナナシを出しに魔女を処刑したっつーこと?」 「ああ。あの魔女とつるんでいる奴らも纏めて。大丈夫だ、悪事を働き見放されたものはリストに乗る。そいつらしか手を下していないからな。」 あれから少しして、ジルバからもらった薬を飲んで全快したエルマーは、そのえげつない効き目に引きながらも、ありがたくインペントリに突っ込んだ。 全快したら聞くだろう。一体何があったのかと。 「ほほう。」 「える、おねつ。」 「大丈夫、もらった薬で一発だあ。ってことで。」 ジルバはパシリと音を立てて拳を受け止めた。蜘蛛の反射神経は伊達じゃない。 エルマーは舌打ちをすると、腕の中でぽかんとしているナナシが状況を把握して慌てた。 「え、えるまー!だめ、いたいのだめ!」 「てめぇらのゴタゴタにうちのナナシを巻き込んでんじゃねえ。殺すぞ。」 「血の気が多いなエルマー。少し抜いたらどうだ。」 「おもしれえ。やれるもんならやってみろやコラ。」 ナナシのお薬を飲んで元気になったのはよかった。それでもエルマーは、ジルバがナナシを巻き込んだことが許せない。サジはもう顔を青ざめさせてすでに正座をしている。怒ったエルマーは怖いのだ。そしてジルバも、サジ以上に性格が悪かった。 「俺が殺した魔女はな、孤児を殺して土人形をつくった。まあ、巨大すぎて手に負えなかったようだがな。」 「…あ?」 「帰ろうとしたのに殺されたのさ。孤児院に向かって行っただろう?お前が一番良く知っているはずさ。」 エルマーの目が見開かれた。先日の夜中、依頼を受けて討伐した空っぽの魔物は、あの魔女が殺した孤児の成れの果てだという。 ぎり、と握りしめられた拳が痛む。エルマーの金目はほのかな殺意を宿して睨みつける。その目を煽るようにジルバは顔を歪ませて笑うと、灰色の目の瞳孔を縦に伸ばした。 「だあいじょうぶだ。おまえはなにも誤りはしていない。ああなった者は輪廻からも外れる。処理をするのが正解なのだ。」 「ほんと、知りたくねえことばっか言いやがる。お前らに慈悲はねえのか。」 「慈悲など、そんな得にもならんことを俺が好むとでも?」 「害虫野郎。一本くらい足もげやがれ。」 「その左目にキャンディでも詰めてやろうか。」 ゴチンと額を重ね合わせて互いに吠える。サジはもうすでに諦めていた。ジルバとエルマーは昔からこうだ。特に仲が悪い。エルマーは蜘蛛が嫌いだし、ジルバは礼儀のないやつが嫌いだ。 「っ…うう、う…や、やだあ…っ、」 ぐすっ、とナナシの悲痛な泣き声がその場の空気を変える。 「ひぅ、う…っ、や、やだよう…じ、じるばも…えるまーも、っ…いたいの、やだよう…っ…」 「な、ナナシ…喧嘩してんわけじゃねえよ、な?」 「いま、のは…挨拶のようなものだ。なあ。」 ナナシの金色の目が、とろけてしまうのではないかと思うくらいにぼたぼたと涙を落とす。 せっかくナナシは友達が増えたのに、好きな人と友達が喧嘩をするのはかなしい。エルマーが元気になったお薬をジルバがくれたのに、そのジルバがエルマーに意地悪を言うのも、エルマーが殺すというのも、全部全部いやだった。 「な、ナシが…ナナシがわるいこ、なの?だか、ら…けんか、する?うぅ、っ…ひぅ、うぇ、ええんっ…」 「ち、ちげえ!悪い子は俺等だ、ナナシは悪い子じゃねーって、な!?元気出せ、ああ…」 「ぐ…泣かないでくれ…君の涙はこたえるものがある…」 「おてて、…っ…ぎゅ、って…なかよく、してほし…っ、」 ナナシは泣きながら、ならば握手で仲直りしろと要求する。サジはもうだめだった。ナナシが泣き始めた時点でこの展開が読めてしまい、もう笑いを堪えるのに必死でもはや真顔になっていた。 エルマーとジルバが、心底嫌そうな顔をして互いを見る。ひっく、とナナシがぐずるのを聞いて、慌てて泣き止むならと握手をした。 「ゴメンネジルバクン。」 「ボクモゴメンネエルマークン。」 「んぐっ。」 真顔で互いに握手をする。ナナシはぐしぐしと目を擦ると、そっと二人の手の上に自分の手を置いた。 サジは腹筋が死んだ。もうこんな面白いことを目の前に耐えねばならないということが地獄である。 「と、ともだち?もうけんかしない?」 「ウン。」 「モチロンダヨ。」 「…うれしい。えへ…」 泣き笑いで見上げられると、大人二人は顔を両手で覆ってそれぞれが大ダメージを食らった。エルマーは主にメンタルに。そしてジルバはプライドに。 ナナシは傾国だ。素直できれいで可愛くて、汚れのないまっさらな新雪のような心を持つ。 素直な言葉は、時に刃物よりも鋭利に胸を刺し貫く。まさに今この瞬間のダメージはそれだった。 「サジ、帰るぞ。今日は俺の家にこい。」 「なんだセックスか。かまわん、やろう。」 「今俺は猛烈にバカバカしいことをしたい気分だ。」 「おい、サジとのセックスのことを言っているのか貴様。許さんぞ。」 「お前の緩い穴で抱いてくれ。」 「ジルバのちんこが細いだけだろう。」 ジルバは己の心の傷をかかえて立ち上がると、サジとくだらない応酬を繰り返して窓から出ていった。そこは何度もいうが玄関ではないし、出ていくなら窓枠を直してからにしてほしい。 エルマーは、ナナシを膝に載せたまま呆れた顔で二人を見送る。 「魔女ってヤベー奴しかいねえのかな。」 「ナナシ、じるばもさじもすき。」 「お前はこのままいい子に育ってくれ。」 疲れた、とゴロンと寝転ぶ。ナナシはエルマーの腹の上、昨日のやらしいことと同じ体制に少しだけドキドキしながらエルマーの顔を覗き込む。 「えるまー、すき。」 「ナナシのすきは、どういうすきなんだ?」 にやりと意地悪く笑う。からかい混じりに言った言葉に、ナナシは頬を染めながら考え込んだ。 子供が言う好きを、信じてないわけではない。ただエルマーの好きは欲のこもった好きだ。それをナナシに押し付けるのはまだ早い。だからせめて、これくらいの意地悪は許してくれという感覚で聞いてみる。 「えるまーに、ちゅうされるのも、すき。」 「へえ?」 「くっつくと、しんじゃいそう。どきどきするの、すき。」 「…ふうん。」 「はだかでくっつくの、ナナシはうれしい。」 「ちょっとまて、」 慌ててナナシの口を覆う。なんとも供給過多な好きである。自分はこの小さな体のナナシに酷いことをしないようにと理性をフル動員させているというのに、本人は言葉で伝えられるのが嬉しいのか、無邪気に照れながら好きを差し出してくる。 これはまずい。エルマーはまだ犯罪者になりたくない。こんなかわいい悪魔のささやきなんて、意に介しませんとクールぶりたいのに、それもできなかった。だって、男の子だモン。 「えるまー、あつい、かたいね。」 「ちょっと、愚息が…」 ナナシの下肢に押し付けられるようにして勃起した。頬を染めながらちらりとそこを見つめるナナシの細い首筋に、本能のまま牙を突き立てて犯したい。ナナシの頬にそっと触れると、目元を赤らめたナナシがエルマーの唇に触れる。 「ちゅうしたい。えるまーと、ちゅうしたいよう。」 「クソ可愛いなオイ。」 ぽそぽそと小さくおねだりをするナナシに、エルマーの理性が叶うわけなんてない。 どうせサジたちはよろしくやるのだろう。ならばエルマーだってよろしくしたい。ナナシと一緒に気持ちよくなりたいのだ。 「また、昨日みたいなことしていいか?」 「えるまー、ナナシのこと、さわってほしぃ」 「どっから覚えてくんだ、そんなこと。」 「あ、っ」 ナナシの腰を支えて体を反転させる。組み敷く形をとると、ナナシは期待に染まった瞳で見上げる。 拙い言葉で話すナナシに、今からエルマーは酷いことをする。ぐっと寄せた眉間のシワに細い指が触れると、くふんとナナシが嬉しそうに笑う。 「うれしい。える、すき。」 「…ぐぅ、」 好きは言わない、本気になってしまうから。エルマーはずっとそう決めている。喉を鳴らすと、その小さな唇に己のそれを重ねた。 「んん、んぅ、ふ、っ…ふぁ、ちゅう、すき、」 「ン、くそ、…っ、ほら、舌だせ。よくしてやる…っ、」 「ぁ、あっ…ふ、んうっ、ふぁ、える、んうっ」 ぢゅる、といやらしい水音をたてながら、ナナシの口にエルマーの親指が入り込む。舌の裏側を舐め、歯茎の裏を擽り、その薄い舌に甘く吸い付く。咥内を貪るような激しいキスだ。ナナシは、酸欠なのかふわふわとして体が気持ちいい。目尻には泣きたくもないのに涙が溜まる。そのままパチリと瞬きをすると、一粒が滑らかな頬を辿り零れ落ちる。 「っは、苦しいか?」 「は、ふ…も、もっと…ちゅう、してほし…」 「は…小悪魔。」 「んぁ、っは、ひぅ、うっ」 口端からだらし無く唾液がこぼれた。薄ぼんやりする思考の中、エルマーは金目を輝かせてナナシの胸の突起を摘んだ。キスをしているうちに開けられていた胸元は、無防備に2つの突起を晒している。 甘く鳴く声を飲み込むようにエルマーが再び深く唇を重ねると、ナナシの細い脚からズボンと下着を取り去った。実に早い、あっという間にシャツ一枚のみとなったナナシは、与えられる唾液を飲み込みながら、ぐりぐりと刺激される突起への刺激に腰を震わせた。 「ふぁ、え、る、っえるぅ…それ、なにい…ぁんっ、」 「気持ちくねえ?ここ、こうやって舐めると…」 「はぁ、あっ!」 「ナナシがびくってはねんの、ふふ。かぁわい。」 べろりと胸を舐められ、齧られる。ちぅ、と時折吸いつくエルマーの髪に手を通すと、そっと両手で愛しむように撫でる。 きもちいい、気持ちよくてエルマーがかわいい。 弄られてピンと立ち上がる突起が恥ずかしい。息を吹きかけられるだけで、なんだか漏れてしまいそうなくらい下半身に響くのだ。 「ぁう、え、るまー‥っ、おしっこ、でそう…」 「ふ、それちげえやつ。いいよ、だしな。」 「ひぁ、っ!あ、そ、そこぉっ…ま、また、なめぅ…の…っ、」 ガパリと足を開かれ、中心にエルマーが顔を埋める。こぶりな性器はピンと立ち上がり、先走りでだらしなく幹を濡らしていた。 「見てな。」 エルマーが目を細めてナナシの性器を舐めあげる。赤い舌が唾液と、ナナシの恥ずかしい先走りで艶めいた。それがなんだかとってもやらしくて、顔を隠すようにしながら、それでも気になって指の隙間からエルマーを見る。 「あ、あ、あ、っ」 「ふふ、やらしいな。こんなに濡らしてきもちいいんか?」 「はぁ、あっ…うん、っ…きも、ちい…ぁあ、んっ」 ちゅる、と舌先と先走りが糸でつながる。エルマーの赤毛が口端に張り付いて、いつもよりも昂奮している顔が色っぽい。 ナナシはその視覚からくる甘やかな刺激に胸の突起を反応させながら、小さく腰を震わせて射精をした。 「ん、っ…かわいいな、ナナシ。」 「は、あっ…でた、あ…えるう…っ、ひぁ、っ…」 「上手にイけてえらいなあ。あーくそ、ちんこいてえ…」 ちゅ、と汗ばんだ額に口付けられる。ナナシは吐精後の気だるさを心地よく感じながら、火照った体でエルマーに擦り寄る。 「える、いたい?へーき?」 「ん、駄目かもしんね。」 ナナシの胸元に額をくっつける。ナナシは熱い吐息を漏らしながら、そっとその赤毛を撫でて後頭部に口付けた。かわいい。エルマーがかわいい。 もしょもしょと髪を撫でていると、もぞりと顔を上げた。ナナシによって乱された髪も気にせず、その金目を柔らかく緩める。 「あ、」 ちゅ、ちゅ、と体についた細かな傷に口付けをしながら、ゆっくりと下腹部に唇が降りる。 少しカサついた、ナナシの体を気持ちよくしてくれるエルマーのキス。膝の裏に男らしい手が添えられると、そのまま持ち上げられて尻を晒される。 「ここ、」 「あ、っ…やぅ、っ…」 「気持ちくなれ。俺のために。」 膝が震える。エルマーの赤い舌がナナシの尻の隙間に這う。そこは舐めるところじゃないのに、その窄まりにねっとりと舌を這わされると、お腹の奥が甘く震えた。 「える、っ…え、るぅ…っ、」 「ん、もっと聞かせて」 「ひぅ、あ、あー‥っ、」 にゅく、となんども縁を甘く刺激される。熱い舌でそこがどんどん溶けていくんじゃないかと思うくらいだ。 ナナシのこぶりな性器は、もうとろとろと射精を繰り返してぐずぐずだ。お腹の筋肉がふるえる。ひくんひくんと動くたび、脇腹を伝ってシーツにはシミを作っていく。 どれ位の時間いじられていたのかわからない。しつこいエルマーの愛撫によって、ナナシのそこは気付かないうちに指二本を飲み込んでいた。 「かふ、っ…ふあ、える、っ…く、るひ…」 「ん、よく頑張ったなあ。」 やはりまだ無理だった。ナナシの薄い腹を突き破ることはしたくない。エルマーはこしこしとお腹側を擦ってやると、もうなにも出ないナナシの性器がぷるんと震えた。 「あ、あ、や、やだぁ、っぁっへ、へんだ、よぅっ…やだ、ぁっ」 「ここが、ナナシのきもちいいとこ。」 瞼にそっと口付けると、長い睫毛が涙で濡れて束になっていた。とろけためからぽろぽろ零れる涙に吸い付くと、ナナシのそこをなんども擦りながら堪えるように可愛い膝に齒をたてる。 チュプ、と、音を立てて指を引き抜く。ナナシのそこはひくんと窄まりが綻び、エルマーの喉が鳴る。 ナナシの細い手がエルマーの性器に触れると、涙目で強請るように見つめられた。 「だから、我慢してんだって…」 「ちょっと、なら…がんば、れるよ…」 「甘やかすなっての、もー···」 ナナシの手に擦り付けるようにして腰を揺らめかす。小さな手で握る視覚的ないやらしさで血管が切れそうだ。エルマーはナナシのひくつくそこに先端をあてがうと、吸い付いてくる感覚に合わせてにゅくりと刺激した。 「は、っ…据え膳、なのに‥なァ、っ…」 「ぁ、っあつ、ぃ…え、えるっ、あう、ぅ…」 「くそ、可愛い。だめだ、ナナシ。好きだ。くそ、っ…」 「ひぅ、っ…すき、だよぅ…える、まーっ、すき、ぃっ…」 エルマーの情欲に駆られた金色の瞳が、まっすぐにナナシを見つめる。 ボソリと呟かれた好きを拾って、ナナシは嬉しくて、小さい腕を伸ばしてぎゅっと抱きついた。 「くそ、後悔すんなよ…嫌だって言っても、もう離せねぇからな。」 「うん、っ…えるの、に…っ、んんっ」 ナナシの言葉が言い終わる前に、その口を塞いだ。こんな小さい子を縛り付けてしまうという、己の独占欲の醜さと、内側から沸き立つような歓喜がその先へいけと急かしてくる。 ナナシの言葉は、甘い毒だ。だから理性があるうちに、乱暴に唇を塞いで深く口付ける。 性器が張り詰めて、ぎゅるりと血流がめぐる。終わりが近かった。ナナシの細い腰を引き寄せ、ばつんと性器を尻に擦りつけて射精した。 「っーーーーー、」 「ん、んふ、っ‥ぇ、う…はぁ、あっ‥」 ぴしゃ、と窄まりに精液がかかる。ひくつくそこに飲み込まれるように、そっと少量が内側に染みこんだ。荒い呼吸は静かな部屋を支配して、汗や体液に濡れたシーツの上、エルマーはナナシの体を離さないまま、何度となくその手で甘い声でナナシを鳴かせた。

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