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みんなでお風呂に入ったあとは、昨日と同じテントでおやすみなさいのはずだった。 明日も朝から王城まで歩くらしい。早く寝なきゃいけないのに、ナナシはさっきの言葉な気になってしまい、エルマーの腕の中で未だ寝られずにいた。 「ん、…寝ねえの…」 あふ、とエルマーが欠伸をする。眠たそうな口調で、ナナシの頭に鼻先を埋めてぽそりと呟くのだから、なんだか可愛いくてしかたない。 「あう…」 「んだ、しっこする?」 「おしっこ…する」 どうやらナナシがトイレに行きたいのだと勘違いしたらしい。たしかにそう言われてみれば行きたい気もしてきた。ぷるりと身震いすると、もそもそと起き上がる。 「ん、ついてく。」 むくりとおきあがったエルマーが、わしりとナナシの頭を撫でる。そのまま手を引くようにしてテントの外に出ると、火の番をしているものもいたが、もう寝静まっているもののほうが多かった。 林の方まで行くと、人目につかないどこまで移動する。エルマーは眠そうにしながら木にもたれかかると、後ろを向いてるからと用足をするように促した。 「ほら、そこでしちまいな。」 「ひぇ、…う、…」 木を目の前にして、ナナシは戸惑った。そう言えばたったまましたことはなかったのだ。 もぞもぞと裾を捲くると、今度は下着がずらせない。片手で取り出せばいいものを、それを思い至らないせいか、ナナシはいっそのこと脱ぐかと大胆にズボンを降ろそうした。 「あー、うん。ほれ、こうすんの。」 「える、っ」 もたつくナナシを見兼ねたエルマーが、後ろから抱きしめるようにしてナナシ残しに手を回す。 そういや漏らすか座ってしかしてなかったなあと思いながら、その細い腰を引き寄せて緩めたズボンに手を差し込んで下着をまさぐる。 「や、ぁ…は、はずかし…」 「おう、ならさっさとしちまいな。」 「ひぅー‥」 顔を耳まで赤く染めながら、エルマーの大きな手が性器を取り出した。大きくなっても茂み一つない真っ白なお腹は相変わらずぺったんこで、性器だけは色素が薄いせいか、少しだけ桃色をしていた。 エルマーはなんだかムラっとしてしまい、その手付きが少しだけ欲を含んだ。 「ほら、服の裾咥えな。上手にしっこできるかあ?」 「ん、む…」 促されるまま、エルマーはその素肌をなで上げるようにして持ち上げた服をくわえさせる。ぴくんと身を震わしたナナシの突起が外気に晒されると、エルマーはなんだか無理やり手籠めにしている気分になってきた。 「やべ、勃起したわ」 「ん、んぅ…っ」 エルマーの言葉にぴくんと体をはねさせる。恥ずかしそうにしながらも、尻の合間にゴリッと性器を押し付けられてしまえば、ふるりと膝が震えてしまう。 「っ、ぁう…」 ちょろ、と性器から溢れたそれは、パタパタと控えめな音を立てながら叢や木の幹を濡らしていく。膝を震わしながら、エルマーの手で支えられたこぶりな性器から放たれた尿は曲線を描いてナナシの足元を濡すのだ。 耳元でエルマーが楽しそうに笑っている。すこしだけ意地悪なこの笑い方をするときは、ナナシを気持よくするときと同じだった。 「はぅ、っ…!」 「漏らさなくて良い子だったなあ」 「んぁ、ぁ、え、える…」 ぴっと性器を揺らされたかと思うと、今度は大きな手で包み込むようにして、ぐにぐにと揉み込まれる。ざり、と耳の裏を舐め上げられた後、空いてる方の手がナナシの突起を指で挟むようにしながらぐにぐにと刺激した。 「ぁ、え、える、える…っ、」 「ちゃんとしっこできて、大人になったなあ」 「お、とな…あ、っえ、えると…いっしょ…」 「ぐ、…」 はふはふと熱い吐息を漏らしながら、その甘やかな刺激に膝が震える。ほぼ足の間に差し込まれたエルマーの手に支えられた状態のナナシは、木の幹に手をついて体重を分散させながら、エルマーの言葉に嬉しそうに笑った。 「はあ、可愛い…なあ、外じゃ嫌だろうけど、ちょっとだけ付き合ってくんねえ?」 「はぅ、っ…ぇ、えるの…すき、に…」 「っ、お前それ絶対に俺にしか言うなよ。」 「はぁ、い…」 お利口なナナシの好きにして発言に、興奮しすぎて暴発するところだった。エルマーはナナシの上半身を木にもたれさせながらしゃがみ込むと、柔らかな尻肉を割り開くようにして薄赤の蕾を外気に晒した。 「ん、ちっと濡らすな。」 「はぇ、っ…ひゃ、んっ」 ベロリと熱いエルマーの肉厚な舌がナナシのそこに這わされた。びくんと尻を揺らして驚くも、エルマーが腰を引き寄せるせいで、唇にそこを押し付けるようなかたちになってしまう。ぬめりをまとった舌が、ちゅぷ、と恥ずかしい粘着質な水音を立てながらナナシの内側に侵入してくる。 内壁をぐにぐにと広げるように舐めるエルマーの舌を甘く締め付けながら、ナナシの膝は震え、感じるたびに脚はどんどんと内股気味になっていく。 ぽたぽたと先走りが濡らした叢の上を落ちていく。気づけばエルマーに勃起した性器まで握りしめられて、にゅくにゅくと擦られていた。 「ぅ、う…あ、」 「ン、きもちいいなあ。可愛く声出せんのえらいな」 「ん、う、っ…あっ、あ、あっ」 ふるりと身を降るわせる。にゅる、と舌が抜かれ、トロトロに溶けた内壁は唾液と繋り、ぷつりと切れて垂れたそれが、ナナシの内股を伝うだけの刺激でぴゅくりと漏らす。ナナシの吐き出したそれを手で受け止めると、エルマーは立ち上がって後ろから抱きかかえながら蕾に塗り込んだ。 「ん、は…え、える…せ、せっくす、するのう…」 「ナナシの口からセックスって聞くと股間にクるなあ。」 「ふぁ、ゆ、ゆび…きもちい…」 「ん、もっと気持ちよくなれ。」 あぐ、と耳を甘噛みしながら甘やかすように差し込んだ指で前立腺を撫でる。ぬくぬくと差し込む指が深くに到達するたびに、ナナシの膝は震え、呼吸は荒くなっていく。 「はぁ、あ、や、やだぁ…たてない、よう…も、おひざ、へん…」 「っと、あぶね…ほら、こっちなら転がっていいからよ。」 崩れそうになったナナシを支えると、汚れてない地面に外套を広げ、そこにナナシを横たえさせた。 ふるふると刺激で震える膝に口付けながら足を開かせると、その細い腰を引き寄せて体をくっつける。 「嫌ならテント戻るか?」 「んん、いい…」 ゆるゆる首を振ると、細い腕を首に絡ませた。ただトイレに連れていくだけだったのに、エルマーも大概我慢が効かない。好きなやつを一度でも抱くと、こうも我儘になるとは。自分でもなんだか童貞臭えなと小さく笑った。 ナナシの腰を手で支えながら、カチャカチャと音をたててバックルを外す。エルマーの性器が取り出されると、もう期待しているせいかとろりと先走りがこぼれていた。 「ん…えるの、かわいいね…」 「急に手練みてえなこという。」 じわりと耳を赤くしながら、性器の先を撫でた悪戯な指を甘噛みする。数度扱いてから、そっと、入り口の縁に引っ掛けるようにしてぐにぐにと押し付け、はたと気づいた。 そういえばこの間の夜は、折れそうで抱くのをびびっていたというのに、もうこれだ。自分の忍耐の無さがありありとわかる。エルマーは渋い顔をしながら性器でナナシの袋を弄るように擦り上げると、じわりと涙を滲ませてナナシが見上げてきた。やめろ、涙目で上目遣いはやめろ。 がつがつとエルマーのツボをついてくる悪い子だと額に口付けると、おずおずとしたナナシの手が、エルマーの服の裾を握りしめた。 「えるの、ナナシにいれてくれないのう」 「…体は平気か?」 「げんき」 「お、おう…げんきならよかったあ」 いやそういうことだけど、そうじゃねえんだわ。エルマーはぽりぽりと頭を掻くと、あろうことなナナシの手が性器を握りしめた。 お?と思っていると、細い足が促すように腰に絡められ、そのままずぶずぶと胎内に飲み込まれていった。 「ふあ、あ、あ、あ…っ、」 「ーーーっ、と、ろけてる…とこわりいけど…っ、そんなに、欲しかったんか。」 「は、ぁ…ぅん、うん…っ、」 ふるりと身を震わせながら、ナナシの表情が快感混じりに嬉しそうな色を滲ませる。肌が白いからか、首筋まで上気させながら甘い目で見上げるナナシの表情は、完全に服従した雌のようになっていた。 「ん、っ…その顔かわいい…もっと見せろ、」 「ぁ、っ…え、える…ふぁ、ぉく…っ…」 「奥、どうしてほしい?」 「とんとんって、してえ…っ、」 「お利口さん。」 ちゅっ、と唇に吸い付くと、ナナシの足を抱えながら腰を揺らめかせて中に擦り付ける。エルマーのゆっくりとした律動は、舌の絡める動きのように緩やかで、それなのにナナシの蕾は痺れるような甘さにきゅうきゅうと性器を締め付けてよろこぶ。おかげでむくりと育った性器が縁を広げるたび、ナナシの舌は刺激で痺れて動きが鈍くなる。 腹がキュンキュンと甘く鳴く。ナナシの両足を横にまとめたエルマーが、その腹を甘やかすように撫でながら、まるで味わうように愛おしそうな目でナナシを見つめ、ちゅぷちゅぷと舌を絡ませた。 「ん、んく…っ、ぇほ、っ…」 「ふは、唇、赤くなってら。」 唇がふわふわして、けほけほとむせた。口端から、飲みきれなかった唾液を零しながら、とろけた目でみつめてくるナナシが可愛い。 大きな手で腰を掴み、引き寄せながら小刻みに腰を打ち付けて揺さぶる。パンパンと乾いた音に、ぬぱ、ぐちっ、という粘着質な音が混じり始めた。 気持ちよさが突き抜けると、ナナシは泣く。エルマーはそれが見たくて、いっつもこうしてやりすぎる。 「ふぇ、っあ、ぁあ、ゃ、やー‥ひぅ、うっ…ぇる、える、う…っ、」 「あー、可愛い、ナナシかぁいいな、くそ、」 「ひゃ、あ、ぁん、ゃ、ゃら、も、もぅおしまい、に、してぇ、えっ…」 「しねえよ、足りねえもん。なあ、ナナシ、ナナ、もっと乱れて、かぁいいとこ、俺にみせてくれ」 「ぁあ、あー‥っ、あ、ぁ、き、もちぃ、える、き、きも、ちぃ…ふあ、ぁー‥、や、あ、あっ…」 小刻みに腰を打ち付けられ、がくがく揺さぶられる。縋っていた手はいつの間にかエルマーによって一纏めにされ、手前に引っ張られながら内壁のとても気持ちのいいところを擦り付けられるものだから、引き寄せられるままに結合部が自然と目に入ってしまうのだ。 すごい、あんなにおっきいのが中には言ってる。ナナシは涙をポロポロ流しながら、きゃんきゃんと可愛く喘ぐ。エルマーの大人の茂みがナナシの溢した先走りやら潮やらでびちゃびちゃにぬれて毛束になっていた。ぷるぷると揺れる性器は、可愛そうなくらい先を赤らめ、もう精液ではなくて水っぽい潮しか出ていない。 ナナシの薄い腹を伝って広がったそれは、エルマーの茶色の外套を黒く染め、腰の下には水溜りを広げていた。 「っ、わり…奥出す…っ、」 「ふぁ、あっ…あー‥、っ…」 ふる、と身震いしたエルマーが、ナナシの体を引き寄せきつく抱き込んだ。射精が近いのか、より一層激しくなった腰使いに、ぶわりとナナシの性感が煽られる。ぞくぞくとした感覚が全身を包み込んだとき、腹の奥が熱くなった気がした。 「くぁ、っ…すげ、…」 「あ、あ、っあ、ああっぁ、ひぅ、あー‥っ、」 ぎゅうぎゅうと締め付けながら、腹の奥で注ぎ込まれた精液をごくごくと飲み込んでいるのがわかる。すごい、なんだかいつもの具合と違うのだ。 エルマーの先端が、知らないところに押し込まれる。 ナナシのちいさい知らない空間に、しっかりと押し付けられた先端が、一滴も漏らさんというばかりにごつごつと押し付ける。やがて全て注ぎ込んだのか、エルマーが荒い呼吸を整えながら、ナナシの小さな頭を優しく撫でた。 「ん…無理させた…わりい、」 「ん、ん…っ、」 ちゅむ、と何度も口付けられる。平気だよと言いたいのに、エルマーがたくさんキスをくれるから喋れないのだ。 まだ腹の奥は熱い。ぽかぽかするそこを撫でると、びきりと性器が膨らんだ気がした。 「流石にもうしねえ、から…って」 「ふあ、…」 「全然出てこねえな。」 「んう、…」 いつもなら性器を引き抜くとごぷごぷと精液が尻のあわいから漏れ出てくるのに、それもなかった。 ぽこんと薄い腹がふくれるほど出したのだ。とろけた顔のナナシの額に口付けを贈ると、くすぐったそうにくふんと息を漏らした。 「かきだしてえけど、でてこねえな。」 「ん…おなかすごい、きゅうきゅうする…」 「腹、気持ち悪くねえ?」 「しあわせ…ふあふあ…」 ほう、と息をついてふわふわとろとろのナナシは、さわさわと腹を撫でては吐息を漏らす。エルマーは再び兆しそうになる己を制すと、手早くナナシの身支度をすませて横抱きにした。 「戻るか。あんなとこで抱いて悪かった。気分悪くなったらきちんと言えよ?」 「はあい…」 もう眠たいのだろう、ナナシはこてんとエルマーの肩口に頭を持たれかけさせると、もによもにょと喃語のような言葉を呟いた。完全に夢うつつだ。エルマーはそれに小さく笑うと、なるべく揺らさないようにしながらテントに戻った。 汚れた外套の言い訳をどうしようかなあと考えながら。

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