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第二章・3
「お客様は、高校生ですね?」
「早紀、でいいよ。梅ヶ谷 早紀。友達になってよ」
友達、と来た。
衛が目を円くしていると、早紀は自己紹介をどんどん始めた。
「諸澄学園の、三年生」
「制服で解りましたよ。優秀なんですね」
「第二性は、オメガなんだ」
「私の知人にも、数人おりますよ」
そこで早紀は、口をつぐんだ。
(アルファの衛さんが知ってる、オメガの人って……)
もしかして、恋人?
尋ねようとした時に、ちょうどコーヒーが出てきた。
「当店の、オリジナルブレンドです。どうぞ」
「いただきまーす」
早紀は、ブラックでそれを一口飲んだ。
父がコーヒー好きなので、早紀も早いうちから嗜むようになっていたのだ。
ブレンドは苦みが強い、それでいて後味は甘い上品な風味を持っていた。
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