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第五章・2

「んぅ。んん、ん……」  余韻に浸る早紀を、衛は優しく撫でた。 「どうだ。もう、満足したか?」 「はぁ、うぅ……。まだまだ……」  本当は、すでに腰がくだけるほどの快感を、衛にもらっていた。  彼のテクは、本物だ。  これまでの恋人ごっことは、決定的に違うのだ。 (胸、弄られただけで、こんな……)  それは、初めての経験だった。  セックスをしていても、自分を見失わない自信はあったのに。 「衛さん、ずるい」 「どうして」 「恋人とか……、いるの?」  だから、こんなにエッチが上手なの?  その問いへの返事は、早紀を喜ばせた。 「恋人は、いないよ。どうしてかな、長続きしない」 「じゃあ、さ」  僕を、恋人にしてよ。  その無邪気な言葉は、衛の頬を緩めた。 「子どもは、恋人にはしないよ」 「僕、子どもじゃないって!」  証明してあげる、と早紀は大きく体をずらした。

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