33 / 145

第五章・4

「まだ衛さん、イッてないのに」 「君に飲ませるわけには、いかないからな」 「飲めるよ、僕」 「頼むから、そんなことを言わないでくれ」  なんだか困った風の衛に、早紀はとどめを刺してきた。 「じゃあ、挿れて。中出ししても、いいよ」 「まいったな……」  言われて初めて気づく、迂闊さ。  独り身の長かった衛の寝室には、スキンの買い置きが無かった。 「発情抑制剤飲んでるから、平気。安全日だし」 「じゃあ、赤ちゃんできたら責任取るから」  赤ちゃん!?  途端に早紀は、落ち着きを失くした。 (ぼ、僕と衛さんに、赤ちゃん。そ、それはさすがに、早いんじゃないかな!?)  やはりこの人は、大人だ。  今まで付き合った恋人たちは、そんなこと一言も言わなかった。 (何だか、新鮮。そして、心がぽかぽかする)  衛の体はいつしか早紀を抱き、その指だけが雄弁になっていた。 「ん、ぅん! はぁ、う。うッ、ん、んぅ。はぁ、んん!」 「ナカ、柔らかいぞ。いい具合だ」  オメガの体液も、溢れてきた。  衛は太く節張った指を、華奢な早紀の体内に入れて苛めている。 「あぁ、あ! 衛さん、そこ! そこが、イイッ!」 「おねだりか。早紀は解りやすいなぁ」  衛は、早紀の体内の敏感な部分をそっと擦った。 「ひぁ、あ! あぁああ!」  再び早紀は、精を飛ばしてしまった。

ともだちにシェアしよう!