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第七章・6
宮木は、大学三年生の21歳であること。
経済学部で、学んでいること。
そろそろ、就活を始めていること。
「穏やかな性格だから、早紀ともうまくやっていけると思うよ」
「楽しみだな。ドキドキしてきた」
「今日は火曜日だから、少し早いか。午後には、ここにやってくる」
「勉強は?」
「三年生にもなると、講義が少ないそうだ」
うん、と早紀は両腕を上げて伸びをした。
(大学生活って、どんなだろう。いろいろ聞いてみたいな)
「早紀」
「何?」
「大学に進学したかったら、私が何とかするぞ? 少し資金をまとめれば、早紀一人くらいは」
いいよ、と早紀は手を振った。
「父さんは、このカフェに僕を預けていったんでしょう?」
「それはそうだが」
「だったら、僕がここにいないと。父さん、迷子になっちゃう」
君は本当にいい子だな、と衛は早紀の隣に歩んだ。
その体を抱き寄せ、背を撫でた。
「衛さんの手、あったかいね」
「そうかな」
凍えてしまった早紀の心を温めてあげるように、撫で続けた。
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