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第十章・5

 翌日、衛は早紀と共にクリスマスツリーを選びにショップへ向かった。 「これ! これがいい。白いの!」  そう言う早紀が選んだのは、真っ白いシンプルなツリー。  これに、自分の好きなオーナメントを飾って、オリジナルのツリーを作る。  そんな早紀に、衛は隣のツリーを指した。 「こっちの、グリーンが良くないか?」  ダメだよ、と早紀は唇を尖らせる。 「メビウス、薄暗いもん。白い方が、絶対映えるから!」 「緑の方が、目立たなくていいんだが」 「まだ、そんなこと言ってる。クリスマスだもん、楽しもうよ」 「そうするか」  大きな白いツリー。  それに似合うオーナメントを、それから二人で選んだ。 「このスノーマン、可愛い」 「ベルも、飾ろう」 「イルミネーション、何色がいい?」 「早紀に任せるよ」  何だ。  楽しいじゃないか。  終いには、衛の方からツリーの敷物まで選んで、素敵な買い物は終わった。

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