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第十二章・4
「ね、待って。もう、するの?」
「せめて、寝るの、と言えないかな」
早紀は、先にバスを使いたいと訴えた。
「歯も磨きたいし、着替えたいし」
「私は今、このままの早紀を抱きたいんだが」
(何か衛さん、積極的!)
目を円くしていると、早紀は甘い口づけに襲われた。
「ん、ぁう。はぁ、う、んん……」
キスをしながら、器用に早紀のスーツを脱がせていく衛だ。
(な、何か、手慣れてる感じ……)
前の恋人にも、こんなことしたのかな。
そう思うと、切なくなる。
(じゃあ、僕も!)
夢中で腕を伸ばし、衛のシャツのボタンを外しにかかった。
「早紀は、そのままでいいんだよ」
「やだ。僕も、衛さんのこと、剥く!」
そうは言っても、すぐに息が上がって手がお留守になってしまった。
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